チョウ・ドンユイ主演映画『国境ナイトクルージング』予告編公開 是枝裕和のコメントも
10月18日より新宿ピカデリーほかにて全国公開されるシンガポール映画『国境ナイトクルージング』の本ビジュアルと予告編が公開された。 【写真】『国境ナイトクルージング』場面写真 第76回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された本作は、『熱帯雨』『イロイロ ぬくもりの記憶』などのアンソニー・チェン監督による、偶然出会った男女3人に起こる心の変化を描いた青春映画。 プロデューサーを務めたのは、ティルダ・スウィントン主演映画『MEMORIA メモリア』、アンソニー・チェン監督作『熱帯雨』などのメン・シェ。撮影は『少年の君』のユー・ジンピンが担当。シンガポールと日本を拠点に活動するアーティストのキン・レオンが長編映画へ楽曲を初提供した。 中国と北朝鮮との国境の都市・延吉。ハオフォン(リウ・ハオラン)は知人の結婚式に出席するため、冬の延吉を訪れた。披露宴が終われば、翌朝のフライトまで予定はない。暇つぶしに観光ツアーに参加してみたが、不運にもスマートフォンを紛失してしまう。そこでバスガイドのナナ(チョウ・ドンユイ)はお詫びにとハオフォンを夜の延吉に連れ出す。男友達のシャオ(チュー・チューシアオ)も合流しての飲み会は盛り上がり。ナナの部屋になだれ込んで朝方まで飲み明かすのだった。翌朝、寝過ごしたハオフォンは上海に戻るフライトを逃し、途方に暮れる。ぽっかり空いた週末。シャオの提案で3人はバイクに乗り込み、国境クルージングに出掛ける。数日間、目的もなく一緒に過ごしただけ。それでも、心から笑い、冒険した思い出が、迷える若者たちの未来を変えていく。 主演を務めたは、『少年の君』のチョウ・ドンユイ。アンソニー・チェン監督とは本作が2度目のタッグとなり、脚本のない段階で監督からオファーされ快諾した。極寒の町に足止めされるハオフォンを演じたのは、『唐人街探偵』で天才探偵を演じたリウ・ハオラン。増量と髭を伸ばす役作りで、心をどこかに置き忘れたエリートを静かに体現した。また、ナナに片思いするムードメーカーのシャオを、Netflix映画『流転の地球』、『あなたがここにいてほしい』のチュー・チューシアオが演じた。 公開された予告編は、氷の迷路を俯瞰でとらえた幻想的なショットに、「全部終わらせたいと思ったことは?」と深刻な様子で話す男性の声が重なってスタート。そしてハオフォン、ナナ、シャオの3人が池に張った氷を割る何気ない場面が映し出される。彼らは、それぞれの事情で孤独と葛藤を抱えていたが、磁石のように引き寄せられ、数日間を気ままに過ごすことになる。深入りせずに、この瞬間をひたすら楽しむ、それが暗黙のルールだ。最初は暗い表情だったハオフォンにもいつしか笑顔がこぼれ、映像の終盤では「生きたいように生きるそれが人生だろ」という印象的なセリフも。また、最後には一足早く本作を鑑賞した是枝裕和監督からの絶賛コメントも収められている。 あわせて公開された本ビジュアルには、ナナ、ハオフォン、シャオ、3人それぞれの表情が写し出され、予告編の冒頭にもあった「全部終わらせたいと思ったことは?」という言葉が添えられている。 また、3人で過ごした数日間を捉えた場面写真も公開された。 是枝裕和監督 コメント 本当に大好きな作品。 行き場のない3人の若者たちが、偶然の出会いによって徐々に変化してゆく――。 その姿がとても印象に残る素敵な映画だ。
リアルサウンド編集部