【ホープフルS】先行力が問われる一戦 東大HCの本命はレガレイラ
中距離2歳王者決定戦
ドウデュースたちがドラマを生み出した有馬記念の熱も冷めやらぬ中、年の瀬の中山で中距離2歳王者に輝くのはどの馬か。気持ちよく来年を迎えるためにも、しっかり的中をモノにしたいところ。GⅡとして中山芝2000mで行われるようになった14年以降のデータから、馬券戦略を検討していく。 【ホープフルステークス2023 注目馬】自在性高く安定感と能力はピカイチ! SPAIA編集部の注目馬を紹介(SPAIA)
先行力に注目
<ホープフルS 4角順位別成績> 1番手【0-1-0-8】勝率0.0%/連対率11.1%/複勝率11.1% 2~4番手【6-5-1-28】勝率15.0%/連対率27.5%/複勝率30.0% 5~9番手【3-3-6-30】勝率7.1%/連対率14.3%/複勝率28.6% 10番手~【0-0-2-41】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率4.7% ホープフルSはポジションによって明暗がくっきり分かれるレース。4角で2~4番手だった馬が6勝、2着にも5頭入っている。この勝ち馬6頭は1~2角も4番手以内で通過していた。前半に前目のポジションを積極的に取り切れば、勝利の確率が格段に高まる。 この前有利傾向は(GⅠ昇格の)17年以降、特に顕著となっている。昇格初年度の17年こそタイムフライヤーが4角9番手から差し切っているが、その後は5年連続で4角2~4番手の馬が勝っている。GⅡ時代は差し追い込み勢が馬券圏内を独占することもあったが、最近は傾向が真逆になりつつある。 9年分のラップタイムを見てみると、前半5Fのペースがおよそ60秒台後半~61秒台、後半5Fは59秒を切った年がない。勝ちタイムは例年2分1秒前後となっている。時計がかかる馬場で行われることはGⅡ時代から変わっていないが、GⅠ昇格後はそういった馬場に対応して前で粘れる馬の出走が増えたことで、直線で瞬発力にかけるタイプの台頭する隙がなくなってきているのかもしれない。
アイビーS3着から巻き返しへ
◎レガレイラ 新種牡馬スワーヴリチャード産駒で、菊花賞4着馬ドゥラドーレスの半妹にあたる血統。新馬戦はのちに札幌2歳Sを制するセットアップを差し切って勝利し、2戦目にはアイビーSを選択。3番手追走から直線では上がり3F最速の32秒7をマークしたが、同じく上がり最速をマークしたダノンエアズロックと、逃げたホウオウプロサンゲには届かなかった。直線でやや外に振られたことに加え、スローからのヨーイドンとなり、直線入り口での位置取りがそのまま着順に出てしまった。なのでそれほど悲観する内容ではない。ゲートをうまく出て流れに乗ることができれば、十分勝ち切れるだけの能力を持っている。 ◯ゴンバデカーブース 新種牡馬ブリックスアンドモルタル産駒。東京芝マイルのサウジアラビアRCでは落ち着いて最後方を追走し、気性面での課題を見せた人気馬ボンドガール、シュトラウス両頭を一気に抜き去ってみせた。現時点での完成度は世代でもトップクラスで、能力面だけを見れば間違いなく上位に来るであろう一頭だ。ただし今回は全く形態の異なる中山芝2000m。ホープフルSではサウジアラビアRCのような追い込みは近年決まりにくくなっている。当日の馬場傾向を見極める必要がある。 ▲シリウスコルト 英GⅠ・2000ギニー、仏GⅠ・ジャックルマロワ賞を勝ったマクフィ産駒。福島芝1200mの新馬戦は10番人気の低評価を覆しての差し切り勝ちで、新潟2歳Sでも12番人気ながら5着に入った。さらなる距離延長となった前走の芙蓉Sでは向正面半ばから先行集団に取り付き、4角で早めにスパート。直線では粘る逃げ馬をかわしてなおしっかり脚を伸ばし、2馬身差の勝利を収めた。勝ちタイムこそ2分3秒0と平凡だが、時計のかかる馬場になれば問題にならない。適性面から狙いたい一頭だ。 以下シンエンペラー、ヴェロキラプトル、ショウナンラプンタまで印を回す。馬券は◎-◯▲△の馬連とする。 ▽ホープフルS予想▽ ◎レガレイラ ◯ゴンバデカーブース ▲シリウスコルト △シンエンペラー ×ヴェロキラプトル ×ショウナンラプンタ 《ライタープロフィール》 東大ホースメンクラブ 約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
東大ホースメンクラブ