森田剛「荷物を一生懸命運びます」間宮祥太朗とW主演の舞台『台風23号』開幕
森田剛と間宮祥太朗が主演する舞台『台風23号』が10月5日、新宿区のTHEATER MILANO-Za(シアターミラノ座)で開幕した。 『台風23号』公開ゲネプロの様子 初日公演を控え、取材会と通し稽古が公開され、主演の森田と間宮を筆頭に出演キャストが出席、作・演出そして出演もする赤堀雅秋による最新作への意気込みを語った。 森田と間宮は初共演。 互いの印象について聞かれると、森田は「すごく楽しみにしていたんです。会ってみて稽古を重ねてみて、稽古に取り組む姿勢だったり、すぐ出来ちゃう感じとか、このやろう!と思って、いいなあって。男っぽくて優しくて、センスがあって楽しいです、一緒に芝居をしてて」
すると間宮は「ありがとうございます」と始めながらも「ほとんどのことはうれしかったんですけど、すぐできちゃうっていうのだけはやめてもらっていいですか」と苦笑い。「いろんな方から剛さんは本当に喋らない人だって聞いていて、赤掘さんと食事会では全然そんなことないよって本当にいろいろしゃべってくださいましたし、昨日とかも通し稽古の前に劇場のロビーでスタッフの方と円になってしゃべってたり……そこはお会いする前とは一番印象が変わったかもしれません」 さらに「稽古を見ていると、最初の座っているだけのところで一気にその人の今までの奥行きというか感じさせるようで、森田剛さんという方が役者として底知れない魅力があることを再認識しました。稽古で同じシーンをやっても同じことが起こらないというか、そこで交わす言葉のいろんな模様が変わってくるところが本当に一緒にいて楽しいです。あと趣味の師匠としてプライベートの方でもお世話になってます」と、続けた。 海沿いの小さな町を舞台に、そこに生きる人々の姿と交流する様子を描く。戦後最大級といわれる台風23号が近づくなかで、楽しみにしていた花火大会が開催されるのかどうかとザワザワするなかで、配達員(森田)は休む暇もなく段ボールを抱え配達を続けている。そこに、訪問先の老人(佐藤B作)が居なくなったと探しに来た介護ヘルパーの田辺(間宮)と老人の娘(木村多江)とその夫(藤井隆)、指定した時間に荷物が届かないスナックのママ(秋山奈津子)と恋人(赤堀)、不機嫌そうなママの娘(伊原六花)、人当たりのいい警官(駒木根隆介)の人生が交差していき……。 森田が演じるのは配達員。冒頭から幕が下りるまで2時間超。ずっと荷物を運び続ける。「なかなか役をつかめずにいて、演出してもらってる時に、このままやられたら、俺泣くんじゃないかなっていうくらいでもあった」というが、「とにかく時間通りに荷物を運ぶ、指定された場所に。それは生きるためにっていうまっすぐな男」だとし、「稽古で積み上げてきたという気持ちが強いのでそれを出せるように、荷物を一生懸命運びます」と意気込んだ。 間宮が演じるのは介護ヘルパーで、老人にもその家族にもとにかく優しく、勤務時間外にも家族にヘルプを求められて対応する。間宮は「自分の中では頑張っているし人当たりもいい。自分に正当な評価をしてもらいたいという思いが強くあって、それが会話の中でいろいろ見え隠れする」という。