遂にEWC開幕戦に向けた公式テスト! 日本発の新規チーム「チーム エトワール」が本格始動 レーシングライダー大久保光のレースレポート
開幕戦に向けた最後のテスト
皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。 今回はEWC世界耐久選手権 第1戦ル・マンラウンドのオフィシャルテストについて書きたいと思います。まだ前回のプライベートテストに関する記事を読んでいない方は、是非ご覧ください。 【画像】EWC 開幕戦 ル・マン24時間レースの公式テストでブガッティサーキットを走る大久保光選手を画像で見る(10枚) 早速ですが、今回のオフィシャルテストは4月2日、3日の2日間で行われました。 1セッション3時間と比較的長い走行時間が設けられており、1日2セッション、2日間の合計で4セッションというスケジュールでしたが、天気は前回のプライベートテストと同様で、あまり良い天気とは言えない状況。 雨が降ったり止んだりと、難しいコンディションとなりました。
プライベートテストに参加していたチームメイトの川崎祥吾は、週末にイタリア選手権の開幕戦があった為、今回のオフィシャルテストには参加せず、代わりにWSSP(スーパースポーツ世界選手権)第3戦とスケジュールがかぶっている為、私の代役として今回のル・マン24時間レースに参戦する奥田教介選手が合流し、3人でテストを行いました。 今回のテストでは、特に1日目は路面が乾いてきたと思ったらまた雨が降ってきたりと中々、思うようなテストを行う事ができませんでしたが、前回のプライベートテストで似たようなコンディションを走っていたこともあり、他のチームよりアドバンテージがあったことで、初日の順位は総合6番手。クラストップという結果となりました。 2日目は初日よりは天気が良くなり、スリックタイヤで走れる機会が多くなった事はポジティブでしたが、いきなり雨が降る、相変わらず天気が読めない中、テストが進んでいきました。
私が所属しているチームは今年から新規スタートということもあり、まだ作業に慣れていない事に加え、色々と試行錯誤をしながらのセッションとなります。他の世界選手権チームはやはりレベルが高く、周りのチームもどんどんタイムを上げてきており、油断はできません。 そんな中、転倒もありましたが、最低限のテスト内容を消化する事ができ、多少セットアップの件で意見の食い違いもありましたが、その辺りも上手くまとめる事ができて、全体を通して初めてながらとても良いテストができたのではないかと思います。 ヨーロッパで0から日本人がチームを作るとなると、想像以上の労力が必要となります。そしてそれはとても険しい道のりでもありますが、今回の3月末のプライベートテスト、オフィシャルテストを通して、無事に走り切ることができたのはとても大きな1歩だったと思います。 改めてここまで準備を進めてくれたチームスタッフの皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
また、ライダーとして亀井雄大選手は、海外のサーキットは初めてながら、しっかりとステップを踏んで、慣れてきていたのではないかと思います。 私は開幕戦には参加できませんが、とても心強いチームメイトです。 奥田選手も過去に乗ってきたBMWのマシンのフィーリングを、私たちにしっかりとフィードバックしてくれました。そして川崎選手も初めての1000ccをしっかりと乗りこなしてくれて、とても強いチームになってきたのではないかと思います。 私は第2戦目のベルギーラウンドは参戦する予定なので、今後もチームエトワールの活動に注目していただけると嬉しいです。
大久保光