「スタバ射殺」「ラーメン組長射殺」と身近な場所での事件が目立つことの恐怖
池田組と絆會
法律や条例が整備されたことで、暴力団への締め付けが厳しくなり、結果として彼らも「コスパ」を重視しなければならなくなったというのは、よく指摘されるところである。勢いで喧嘩をするのはもってのほか、殺人なども刑の重さを考えると「割に合わない」というわけだ。が、そのわりにはこのところ、暴力団絡みの物騒な事件が目立つと感じる方もいることだろう。昨年はラーメン店、今年はスターバックスと、およそ「抗争」のイメージが似合わない場所での殺人事件が起きている。これら事件で名前が取り沙汰されてきたのが池田組と絆會。6代目山口組と敵対する両者は「運命共同体」をうたってきた関係である。何が起きているのか。2つの組織の現状などについてお伝えする。 【写真を見る】2024年1月25日、82歳の誕生日会で頬をゆるませる「6代目山口組・司忍組長」とナンバー2、3ら執行部の面々など
まずは1月14日に発生した「愛媛スタバ射殺事件」から。愛媛県四国中央市のスターバックスイオンタウン川之江店のテラス席で、6代目山口組と敵対する池田組の2次団体・功龍會会長で池田組のナンバー2・前谷祐一郎若頭(62)が市内に住む石川雄一郎氏(49)の胸を拳銃で撃ち、殺害。前谷若頭は凶器を持ったまま逃走を続けている。
もともと親子の関係だったが
愛媛県警は事件の翌日。殺人容疑で逮捕状を取って全国に指名手配をした。前谷若頭は身長約163センチで小太り、白髪だという(情報提供は、四国中央警察署の捜査本部まで/TEL0896-24-0110)。 殺害された石川氏は元々、前谷若頭が率いる功龍會の会長代行と政治結社・祐龍会の会長を務めており、前谷若頭とは親子の関係にあたる。その後、破門処分を受けた石川氏は服役などを経て、一旦は前谷若頭のもとに戻ったようだが、その後、6代目山口組との関係を深めていく。 6代目側の「移籍報告書」(写真参照)によれば、2021年2月25日の日付で、功龍會の石川祐一会長代行(石川氏の渡世名)の所属先として、6代目山口組の2次団体・2代目若林組・森組と記述されている。6代目側から見れば、直参の若い衆が抗争中の組織に殺されたということになる。