「ニットがあるから冬が楽しい!」エディター松井陽子さんがこの冬最初に買った「コンテ」のニットとは?
「大人のおしゃれを体現する人」として、おしゃれプロたちからも一目置かれている、50代の3人のエディター&ライターたち。三者三様のリアルな冬のニットスタイルから、そのファッションセオリーを紡ぎます。 【写真で見る】辺見えみりさんのブランドのニット、50代エディターが選んだ1枚は? 3回目は「スタッフの今日のコーデ」の私服スタイルにファンの多い、mi-molletでもお馴染みのエディター・松井陽子さん。「シーズン前に最初にチェックするのがニット」という松井さん。今年はどんな一枚を選んだのでしょうか。着こなしとともに紹介してもらいます。
冬が楽しみになるように……季節を前に、まずお気に入りを一枚
冬の到来を前に、まず準備するのがニット。以前の「今日のコーデ」の記事でも触れたことがある気がしますが、それは、寒い冬を楽しくするための生活の知恵ーーというと、雪も積もらない湘南暮らしなのにちょっと大げさですがーー寒いのがとにかく苦手な私なりの、冬を少しでも前向きに過ごすための秘策なんです。 早々にお気に入りのニットを見つけられていたら「あのニットが着られる!」と、深まりゆく季節もどこか楽しみで、おおらかな気持ちで迎えることができるのではないかな……と。実際、それはとても効果的で、先行投資的ニットのおかげで、冬の到来も、寒さの本番にも耐性ができたような気がします。 選ぶのは「毎日着たくなる」くらいのしっかりと理由があるもの。色やデザイン、そして風合い……。「大好き」がしっかりとある、そんな一枚です。日頃はお買い物にはなかなか慎重なのですが、その先の毎日が想像できるニットと出会えたら、ほぼ間違いなく即決。「ひと目惚れして迷わず購入!」とつい気前よくなってしまうのもニットなんです。 特に好きなのが、ふわふわ、もこもこ系。柔らかいぬいぐるみのようなソフトタッチのニットは無条件に好き。ふわーっと吸い寄せられるように見つけてしまうんです。 このニットがまさにそう。今年の一枚はコンテの青山店で出会いました。
さりげなく抜けていて、女っぽい。冬のお出かけも「私らしく」
出会ったというか、正確には、ミモレの取材で訪れたコンテのショップで、取材相手であるディレクターの辺見えみりちゃんが撮影時に着ていたのがこちらのニットでした。それがもうとにかく可愛くて! 「取材が終わったら試着させてねー」と、早々にお願いしたほど心奪われたのです。 もこもこと表情豊かな風合いで、でも、毛足は遊ぶほど長くありません。フリースのようにも見えるのですが、素材がウール84%とナイロン16%。ウールがしっかりと混紡されているので、軽いのに暖かい、という優れもの。 襟元に特徴があって、フロントは重なり合って、バックスタイルに向け立ち上がっていくようなデザイン。首元にニュアンスが生まれ、背中にほんのりと抜けが生まれます。顔まわりに奥行き感が生まれ、一枚でも佇まいが決まるのもいいところ。 さらに、えみりちゃんの制作秘話まで聞いたら、もう買わない理由はありませんでした。 素肌を覆って閉じ込める季節だから、ちらっとでも素肌が感じられるだけでほんのりと生っぽく、どこかセンシュアル。ほっこりせず、子どもっぽくもならずに、カジュアルな装いを大人の着こなしに引き寄せられる気がします。 気の置けない仲間で集まる日や、仕事で気分よく過ごしたい日もそう。気を張りたくないけれど、シンプルすぎるのも気分ではない。そんな日に、このニットはちょうどいいんです。