特集上映「ニナ・メンケスの世界」日本の劇場初公開3作の世界観を映し出す予告解禁
アメリカの映画監督ニナ・メンケスが監督を務め、日本の劇場で初公開となる3本がラインナップされた特集上映「ニナ・メンケスの世界」の予告編がYouTubeで公開された。 【動画】特集上映「ニナ・メンケスの世界」予告編はこちら 映像の前半ではメンケスの初長編「マグダレーナ・ヴィラガ」と、「クイーン・オブ・ダイヤモンド」が紹介され、ティンカ・メンケスが主人公を演じた2作品の場面や「絶対に私を縛らないで」というセリフ、1本の木が燃え盛るさまが収められた。そして後半にはメンケスの最新作「ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー」のシーンが映し出され、映画における“Male Gaze=男性のまなざし”の問題が提唱される様子が確認できる。 あわせて明治学院大学教授の斉藤綾子によるコメントも到着。「公開から30年。私たちはやっとニナ・メンケスのイメージに出会える幸運を味わえる」「そのカラフルでミニマルな映像を一度目にしたら、決して脳裏に焼き付いて離れない」とつづっている。 「ニナ・メンケスの世界」は、5月10日より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次開催。 ■ 斉藤綾子(明治学院大学教授)コメント 公開から30年。私たちはやっとニナ・メンケスのイメージに出会える幸運を味わえる。 スロット・マシーンの音が鳴り響くラスヴェガスのカジノ。真っ赤な爪が光り、黙々とカードを配るディーラーをじっと見つめるカメラ。色鮮やかなウィール・オブ・フォーチュンの前にじっと立つ監督の妹、ティンカ・メンケス。バーバラ・ローデン、シャンタル・アケルマン、ウルリケ・オッティンガー、アニエス・ヴァルダ、ジェーン・カンピオンの孤独なヒロインたちと同じく、ティンカは寡黙だ。内なる抵抗を、怒りを表す女たちの沈黙。ネヴァダの砂漠、ロサンジェルスのモーテル。 メンケスが描く荒涼としたアメリカ西部にジョン・ウェインはいない。 そのカラフルでミニマルな映像を一度目にしたら、決して脳裏に焼き付いて離れない。