ECB、追加利下げ急ぐべきではない-ミュラー・エストニア中銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は恐らく年内に再び政策金利を引き下げることができるだろうが、追加利下げは急ぐべきではないとの考えをECB政策委員会メンバーのミュラー・エストニア中銀総裁が示した。
ECBの年次フォーラムが開催されているポルトガルのシントラでインタビューに応じた同総裁は、「実際の結果がわれわれの最新予測に近いものになれば、今年中に景気抑制的な政策水準をさらに引き下げられる可能性が高い」と指摘した上で、「具体的にいつ、どの程度かは、まだ分からない」と語った。
「コアインフレとサービスインフレが依然として高水準にあり、賃金もしっかりと伸びていることから、われわれは忍耐強く、非常に緩やかに動くべきだ」と呼びかけた。
先月利下げに踏み切ったECBは、追加緩和の可能性を検討。インフレと経済成長の見通しが不透明であることを理由に大方の当局者は慎重な姿勢を示している。
ミュラー総裁は、インフレ率が2025年後半に2%の目標に戻るという「多かれ少なかれ予想される道筋に沿って動いている」としているものの、景気改善が「物価上昇圧力を生む可能性」などのリスクもあると説明。「インフレの粘着性を過小評価するリスクはあるが、警戒は怠らない」と述べた。
それ以外の発言は以下の通り。
関連記事:
原題:ECB Must Be Patient With Further Interest-Rate Cuts, Muller Says(抜粋)
--取材協力:Joao Lima.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Mark Schroers, Alexander Weber