ドジャースは頂点に立てる…?MLBライバル球団と徹底比較。現地メディアの予想は?
序盤の不調を乗り越え、予期された完全体スーパーチームへ
開幕前から言われていたが、やはりドジャースの打線は強力だ。ムーキー・ベッツ、大谷翔平のMVP級の活躍、ルーキーのアンディ・パヘス、新戦力のテオスカー・ヘルナンデスの好調もあり、「wRC+」126、「WAR」(※選手の貢献度)12.4はメジャー1位となっている。 また、今季は守備力が大幅にアップしている。昨季9人だった「OAA」がプラス値の選手は今季既に10人を超えている。特に昨季-7を記録したマックス・マンシーの三塁守備は+1、昨季を全休したギャビン・ラックスの2塁守備は+2を記録し、強固な内野陣を形成している。 昨季プレーオフでは第2試合でルーキーのボビー・ミラーが投げる羽目になってしまった先発陣だが、今季は見違える安定感を発揮しており、しっかりとイニングを消化できている。 先発陣で6回以上を投げたのはタイラー・グラスノーが9回中7回、山本由伸が9回中4回、ギャビン・ストーンが8回中4回となっている。 さらにはミラーが故障者リスト入りし、ビューラーが手術明けで本調子でない中でもルーキーのランドン・ナックやマイナー契約のエリエザー・ヘルナンデスなどが登板し、しっかりと試合を作っている。 救援陣も盤石だ。開幕からハイレバレッジな場面で登板を予定されていたエバン・フィリップス、ジョー・ケリー、ライアン・ブレイジャー、ブラスダー・グラテオルが故障離脱しているが、ダニエル・ハドソン、ブレーク・トライネンの復帰、アレックス・ベシア、マイケル・グローブのステップアップなどに助けられメジャー4位の防御率3.05をブルペン全体で記録している。 このままの安定感を維持した上で、オールスター前後にクレイトン・カーショー、エメット・シーアン、カイル・ハートが順調に復帰すればメジャートップの投手陣を形成できるだろう。
補強は大成功…一方で生え抜きのスター選手が絶不調
ブレーブスの先発陣は補強が大成功だ。オフに3年3000万ドルで加入したレイナルド・ロペスは7先発で防御率1.34。内野プロスペクトのボーン・グリソムとの交換トレードでレッドソックスから獲得したクリス・セールは7先発で防御率2.95と活躍している。 ロペスはホワイトソックス時代、リリーバーだったが今季から先発へ転向。平均球速は下がったが、合わせて投球の80パーセント以上を占めるフォーシーム/スライダーのコンビネーションが効果を発揮している。 セールは元々シカゴ・ホワイトソックス、ボストン・レッドソックス時代にサイヤング賞投票を多く獲得した実績のある投手だが、過去4年は手術や打球直撃での怪我、バイク事故などで不本意なシーズンが続いていた。不良債権化しつつあったセールをブレーブスが復活に賭けて獲得。博打が大成功した。 特にセールの代名詞であるスライダーが効果的で、失点阻止を示す指標「Run Value」はスライダーではメジャー2位の+8を記録している。 しかし、ブレーブスにとって最も大きな誤算はスペンサー・ストライダーの離脱だろう。ストライダーは4月中旬に尺側側副靱帯修復の手術を受け、2先発のみでのシーズン終了が確定した。 直近2シーズンで合計318.1イニング、防御率3.36、奪三振率13.7を誇ったエースの離脱はシーズン中ではデプスでカバーできるが、支配力が欲しいプレーオフでは大きな影響を与えるかもしれない。 また、打線の不調も目立っている。ここまででOPSが.800を超えているのがDHのマーセル・オズーナとキャッチャーのトラビス・ダ―ノウの2人のみ。昨季は打率.337、41ホームラン、OPS1.102、73盗塁でナ・リーグMVPに輝いたロナルド・アクーニャ Jr.はOPS.717と不調に陥っている。 昨季54ホームラン、長打率がNL1位の.604を記録したマット・オルソンはここまでホームラン4本、長打率に至っては.367とほとんど半減してしまっている。2人とも平均打球速度やバットスピードなどはリーグ上位レベルを維持しているため、時間が経てば調子を戻しそうだが、果たしてどうなるか。
ベースボールチャンネル編集部