阪神・大山「4番・一塁」スタメン復帰即タイムリー 18打席ぶり安打も敗戦「2本出たことは個人的にはプラス」
「阪神2-4ヤクルト」(17日、甲子園球場) 帰ってきた主砲が意地をみせた。打撃不振のため16日・中日戦のスタメンを外れた阪神・大山悠輔内野手(29)が「4番・一塁」で先発復帰し、六回に反撃の右前適時打を放つなど、マルチ安打を記録した。追い上げ届かず敗れはしたが、悩める4番に当たりが出たのは明るい材料。一日も早い完全復調を虎党は待っている。 【写真】目をつむり、深々 ライトスタンドのからの大山コールに頭を下げる大山 4番の意地を見せた。大山に打順が回ると、一気に球場のボルテージが上がる。放たれた打球がさらに聖地を熱くさせた。前夜は試合前まで打率・210、3本塁打、14打点と低迷していたため、岡田監督就任後初のスタメン落ち。22年8月18日・ヤクルト戦以来だった。 代わって4番に座った原口が3ランを含む4打点の活躍。大山は途中出場し、打席に立ったが空振り三振に倒れていた。そんな中でもこの日は「4番・一塁」でスタメン復帰。1打席目から岡田監督の期待に応えた。 1点を追う二回、先頭で吉村の初球、142キロカットボールに食らいついた。打球は三遊間を抜け、左前へ。チーム初安打は大山自身にとっても18打席ぶりの快音に。原口もベンチから大きな声を出し、たたえた。 さらなる見せ場は4点を追う六回2死一、二塁だった。カウント2-2から右腕の150キロ内角直球を捉え、打球は詰まりながらも右前へ。二走・森下は一気に生還。反撃ののろしを上げる適時打で吉村をマウンドから引きずり降ろした。 マルチ安打は1試合2本塁打を放った3日・巨人戦(東京ド)以来。苦しんでいた中での快音に「2本出たことは個人的にはプラスにしたいですけど」と前向きに話した。ただ、勝利にはつながらなかった。「やっぱり試合に勝つことなんで。それに向けて頑張ります」。4番として求めるものは勝ちを導く一打。すでに視線は次に向けられていた。 4番の久々の快音に、岡田監督は「でもそら、ちゃんと早よ来て室内で打ってたりしたら、ちゃんとええ結果が出るよ。そら本人が一番苦しんでると思うよ、ヒット出えへんのは。でも、やることちゃんとやってたら、やっぱり出るやん」ときっぱり。この2安打を復調のきっかけとしたいところだが、「そんなええ薬ないやろ、簡単な薬はないよ」とも言い切った。 3連勝とはならなかったが、巨人も敗戦したため、首位陥落は免れた。そして何より4番が放った2安打を希望の光と捉えたい。大山のバットが快音を鳴らせば、白星も近づくはず。残り2戦を勝ち取り、甲子園の虎党を喜ばせる。