現職警官ら6人逮捕、離任間際に不適切対応延べ38人処分…不祥事の隠蔽疑惑も取り沙汰された県警トップは在任2年1カ月を振り返り「疑念晴らせず心残り」
鹿児島県警の野川明輝本部長(53)は1日、警察庁への5日付の転出を前に、県警本部で離任会見を開いた。在任中相次いだ現職警察官らによる不祥事に触れ「県警の信頼を損ね、改めておわびする」と謝罪した。前生活安全部長=国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴=が、野川本部長による隠蔽(いんぺい)を訴えている問題について、「今後は、より説得力のある方法で事実が明らかになると期待する。裁判の推移を見守っていきたい」と述べた。 【写真】離任会見にあたり礼をする野川明輝本部長=1日午後、鹿児島市の県警本部
前部長の訴えを野川本部長は一貫して否定しており、警察庁も6月時点で「隠蔽の指示はなかった」と結論付けている。主張が依然対立し、前部長の公判も始まっていない中での異動となる。野川本部長は「在任中に疑念を晴らせず心残りだ」としつつ、今後の公判や県議会の調査への参画については明言を避けた。 野川本部長の在任中は、強制性交や情報漏えい、盗撮などの容疑で計6人の現職警察官らが逮捕された。不祥事を巡っては、調査特別委員会(百条委員会)設置も取り沙汰された。今後、県議会に質疑のため招致された場合の対応については「議会運営に関わる」との回答にとどめた。 警察庁の監督の下、県警が策定した再発防止対策については「本部長が交代しても機能するものと自負している。しっかり取り組むことで、信頼回復につなげる」と述べた。 県警は10月31日、詐欺や強制性交など3事件について、対応が不適切だった捜査幹部や担当者など現職警察官延べ38人を処分。野川本部長は「調査を尽くし、結果が整ったのが31日だった。異動とは関係ない」と、自身の異動と処分のタイミングの関連を否定した。
野川本部長は2年1カ月在任。5日付で警察庁長官官房付に着任する。後任には、同庁交通局交通規制課長の岩瀬聡氏(50)が就く。
南日本新聞 | 鹿児島
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