学校“部活動”から“地域移行”へ…新たなクラブ組織立ち上げなど着々と準備進める(静岡・掛川市)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
これまで教員が担ってきた部活動の指導を、地元のスポーツ協会などが行う“地域移行”。2026年夏までに完全移行することを決めている静岡・ 掛川市は、新たな地域クラブを立ち上げるなど準備を進めています。 (コーチ) 「目線を合わせてスペースを見つけて、仲間を見つけてパスを出す、OK」 1月、掛川市の中学校で行われたサッカー体験会。参加したのは、この春、中学生になる小学6年生10人です。地元のサッカー少年団のコーチが指導を担います。 掛川市教育委員会は、これまで教員が指導してきた部活動の“地域移行”を進めています。掛川市の場合、指導にあたるのは、市のスポーツ協会や文化財団、市民団体が運営する地域クラブです。教員の負担軽減につながるのが大きなメリットで、子どもたちは、学区にかかわらず好きな種目を選択できます。 サッカーは、小学生を対象にした地域クラブのアンケートで最も関心が高かった競技で、掛川市南部の中学校にサッカー部がないことから、先行して地域クラブを立ち上げることになりました。 中学入学前に体験した小学生は… (参加した小学生) 「ドリブルをコーチに教えてもらって楽しかった」「友達が増えそうでいいなと思った」「サッカー好きなのでうれしい」 サッカーの地域クラブは、2024年4月から本格始動する予定です。 掛川市では、バドミントンや美術など、24のクラブを先行モデルとして認定していますが、教育委員会は、持続可能な運営を可能にするため、地元企業に協賛してもらうことなども考えたいと話します。 (掛川市教育委 教育政策課 尾崎 和宏 課長) 「できるだけ(コストを)安くするには、学校や使える施設、使える備品を全部使い、金額を抑えて提供できるように検討している」 一方、地域クラブの指導者の多くは、日中、仕事をしていることから、地域クラブの活動は、主に夜になることが想定されています。そのため、授業が終わってから地域クラブの活動までの、“放課後の夕方”を有効に使うための取り組みも行われています。 この日、中学校の“放課後”に開かれたのは、スポーツインストラクターが基礎体力をつけるための運動を教える体験会です。 (インストラクター) 「大きい範囲で体を動かすことで大きな力が出る、狭い範囲しか動かせない人は大きな力が出ない、だから柔軟性は大事です」 トップアスリートも指導しているインストラクターの専門的な指導に、中学生も刺激を受けたようです。 (中学生) 「大事なストレッチや柔軟、いろいろな動きがあった。部活以外にも大切な場面だった」「普段はチームでの練習が多い。こういうストレッチは部活動ではやらない。楽しかった」 掛川市は、この体験会のように地域クラブの種目を増やすだけでなく、子どもたちのニーズに応えた対応をとっていきたいと話します。 (掛川市教育委 教育政策課 沢田 佳史 さん) 「子どもたちは多様化している。子どもたちがやりたいものを選択できる環境、放課後のスポーツ活動もその一つになればと考える」 2026年夏までに“学校の部活動”の廃止を決めている掛川市。地域クラブへの完全移行に向けて、着々と準備を進めています。
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