<百千さん家のあやかし王子>イケメンあやかしも、幻想的な世界観も「美しすぎる」と原作ファン大絶賛の第1話
テレビアニメ「百千さん家のあやかし王子」(毎週金曜深夜0:00-0:30、TOKYO MXほか、Huluでも配信)が、1月5日(金)より放送開始となった。第1話では、ヒロインのひまりが両親から相続した屋敷で3人の謎に満ちた美青年たちと出会う。そこは“あやかし”たちが住み着く不思議な家だった――。累計発行部数110万部を超える和風ファンタジーが美しい作画でアニメ化され、原作のファンからも絶賛の声が相次いだ。 【写真】百千家に住んでいる謎の少年・葵。ヒロイン・ひまりとの衝撃のキスシーン?も話題に ■「百千さん家のあやかし王子」とは 本作は、漫画雑誌「ASUKA」(KADOKAWA)にて、2013年から2019年にかけて連載され、累計発行部数110万部以上、10言語で翻訳・出版されるなど海外でも人気を集めている硝音あやによる漫画が原作。亡き両親の遺言状により、山奥の日本家屋を相続することになったヒロイン・百千ひまり(CV:川井田夏海)と、そこに住み着くあやかしたちとの生活が描かれる。 2015年には実写舞台化もされ好評を得た“あやかし系和風ファンタジー”がこの度、満を持してアニメ化された。「七つの大罪 怨嗟のエジンバラ」のボブ白旗が監督を務め、「うちの会社の小さい先輩の話」の蒼樹靖子がシリーズ構成を担当。アニメーション制作はドライブが担当する。 ■両親から相続した家はまさかの化け物屋敷? 赤ん坊の頃に事故で両親を亡くし、施設で育ったひまり。そんな彼女は16歳の誕生日に突然届いた亡き両親からの遺言状に伴い、“百千家”を相続することになる。しかし、いざ地図を頼りに山奥の屋敷にたどり着くと、そこには七守葵(CV:大塚剛央)と名乗る謎の少年のほかに紫(CV:立花慎之介)、伊勢(CV:小野友樹)と呼ばれる先住人がいた。 彼らは百千家の主は葵であると主張。さらには百千家が外の世界で「世にも恐ろしい化け物屋敷」と呼ばれていることを理由にひまりを追い返そうとする。しかし、ひまりにとってこの家は顔も知らない両親との繋がりを唯一感じられるものであり、簡単に退くことはできない。ひとまず一晩泊まることを許されたひまりは、怪しげな物音や人影に怯えながら朝を迎えた。 葵に頼まれた紫がしぶしぶ用意してくれた朝食を食べ、やたら散らかった屋敷の掃除をしていたところ、謎のおどろおどろしい影に囲まれるひまり。だが、彼女が「出て行け!」と叫ぶと影はぬいぐるみのような可愛らしいものたちに変わり、屋敷の外に弾き飛ばされる。その正体はなんと小妖怪。伊勢がひまりを出て行かせるために、脅かそうと小妖怪たちを焚きつけたのだ。 “化け物屋敷”というのもあながち間違いではなく、百千家には“あやかし”と呼ばれる人ならざるものたちが住み着いていた。紫と伊勢もあやかしであり、唯一の人間は葵だけ。しかし、伊勢は「葵と俺たちはダチみてえなもんだ」と言う。種族を超えて、信頼し合っている彼らの関係はまさにひまりの理想。天涯孤独なひまりは、家族への憧れが強いのだろう。自分もその輪に加わりたいと思ったひまりだが、葵から「ここは君の居場所じゃない」と言われてしまう。ショックを受けたひまりの表情に観ているこちらまで切なくなってしまった。 ■圧巻の映像美に原作ファンからも好評! 一瞬でも期待した自分が恥ずかしく、ひまりはそのまま屋敷を飛び出した。しかし、山の中で先ほどの小妖怪たちとは比べ物にならないほど巨大なあやかしに襲われるひまり。あとを追ってきた葵たちが“雲入道”と呼ぶそのあやかしに妖気を注がれ、ひまりは息ができなくなってしまう。その瞬間、葵がひまりにまさかのキス。そのまま妖気を吸い込むと、ひまりは息を吹き返すのだった。 一体、葵は何者なのか。目が眩むような強い光を放ち、ケモノの耳が生えたあやかしに変身する葵。髪は黒髪から白髪に。胸元がざっくりと開いた着物を纏ったその姿はこの世のものとは思えないほどに美しく神々しい。そんな葵の命令で、式神の紫と伊勢は雲入道を捕らえる。さらには葵が扇を振るうと雲入道は消え去り、先ほどまで暗闇に包まれていた青空が戻ってきた。 葵は、現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)の狭間に建つ百千家の“御守様”だった。普段は人間だが、雲入道のように悪いあやかしを退治する際には“鵺”と呼ばれるあやかしに変身する。葵の正体を知った直後、倒れるひまり。朦朧とする意識の中で、彼女は「ひまりを助けられなかったら僕が今まで生きてきた意味がないんだ」と葵が呟いているのを聞く。葵がしきりにひまりを屋敷から追い返そうとしていたのは、今回のように悪いあやかしに襲われるのを危惧していたから。 そんな葵の物言わぬ優しさを感じた上で、ひまりは両親が残してくれた家族の絆を手放さないことを決意する。紫いわく、百千の血を狙っている者は多いという。もしかしたら、遺言状もひまりを誘き寄せるための罠かもしれない。それでも、「マイナスなことを考えても前に進めないもの」と明るく言い放つひまり。逆境をものともしない、そのたくましい姿に思わず葵も笑顔になった。 かくして幕を開けた天涯孤独なヒロインとイケメンあやかしたちの同居生活。古き良き日本家屋を舞台に繰り広げられる幻想的な物語が美しい映像で映し出され、「作画綺麗すぎるし、声優さん達最高ですし、OPもEDもめちゃくちゃ良かったです」「着物の色や柄が綺麗ですごい!」「原作から見ててアニメ化すると、印象が違ったりイメージ崩れるけど、これは綺麗だし、全然違和感なく見られた」と原作ファンからも絶賛の声が相次いだ。 葵がなぜ“御守様”となったのかも気になるところ。まだまだ謎が多い彼とひまりの関係にも引き続き注目していきたい。 ■文/苫とり子