仙巌園内でドライミストに癒やされる観光客ら＝１日午後２時半、鹿児島市吉野町

　鹿児島県内で７月以降、子ども（７～１８歳未満）の熱中症による救急搬送が増えている。消防庁の発表によると、７月２２～２８日の県内搬送は３５人で、６月全体の３倍を超えた。専門家は体温調節機能が十分に発達していない子どもに対して目配りし、小まめな休憩と水分補給、規則正しい生活を呼びかける。 【写真】熱中症の若年者救急搬送数と子どもの熱中症対策ポイント

　消防庁のまとめでは、県内で６月に熱中症で搬送された子どもは１１人。７月は７日までの１週間で１８人に上った。８～１４日は５人に減少したものの、１５～２１日は２０人と再び増加した。 　鹿児島市のゆあさこどもクリニックの湯浅由啓院長は「子どもは遊びに夢中になり休憩を忘れがち。２０～３０分たったら涼しい場所で休ませることが大切」と話す。水分のほか、経口補水液などで塩分を取ることも重要という。背の低い子どもやベビーカーの乳幼児は、アスファルトからの照り返しで大人以上に暑さを感じていると指摘する。 　小さい子は症状を訴えることが難しい。「普段より元気がない、食欲がない、汗が出ないなどの症状は熱中症を疑って」と湯浅院長。症状があれば、首や脇、足の付け根を水やぬれタオル、保冷剤などで冷やし、可能なら水分を与える。けいれんや意識がはっきりしない場合は救急車を呼ぶ。 　夏休みは生活リズムが崩れやすい時期。朝食をしっかり食べ、夜更かしをしない規則正しい生活が予防につながる。外出する機会も増えるため、車内への置き去りに警鐘を鳴らす。湯浅院長は「たとえ短い時間でも子どもを置いて出ないで。鍵を車内に残したまま外に出てロックがかかってしまう『インロック』が起きないよう、鍵は常に持ち歩いてほしい」と話した。