「最も奇抜な乗り物!」世界初“スクリューバイク”誕生、走らなそうなタイヤで全方位に滑走
まるで氷上を滑走するアイススケートのように、バイクが地面をスムーズに滑る――。イギリスのYouTuberであるジェームズ・ブルトン氏が、変わり種のバイク「スクリューバイク」を完成させた。 【動画を見る】スクリューバイクの特殊タイヤが生む斬新な走り。 スクリューバイクは、奇妙なルックスだ。4輪のタイヤを搭載するが、すべてが進行方向に対して垂直に取り付けられている。つまり4輪とも、バイク本体に対して左右の方向にのみ回転する状態だ。 前進は到底不可能に思えるのだが、実際には非常にスムーズに前へと進む。全方向に動くだけでなく、カーブやターンも自在だ。 ブルトン氏の動画では、屋外の駐車場でスクリューバイクにまたがった氏が颯爽とフレームイン。直進を終えると、その場で華麗にターンを決めて見せる。ターンの際も本体はほぼ傾かず、地面を滑っているかのようになめらかだ。
特殊なタイヤで全方向に移動
めずらしい移動の秘密は、タイヤの構造にある。4輪のタイヤは、それ自身が回転するのに加え、全周に多数のローラーを搭載している。「メカナムホイール」と呼ばれる特殊なタイヤだ。 タイヤ上の各ローラーは、円周に対して45度の角度を付けて配置されている。このため、タイヤが左右どちらかに回転すると、左右に加えて前後方向にも駆動力が分散される。 ブルトン氏のスクリューバイクでは、右に45度振ったメカナムホイールと左に振ったものを、交互に4輪並べた。各ホイールの回転数を独立してコントロールすることで、例えば前後への推進力を打ち消し合い、左方向に水平移動できる。 各タイヤはバッテリーで駆動する。手元のスロットルを捻って進行方向と速さをコントロールすると、あらかじめ計算した割合で4つのメカナムホイールを駆動。意図した方向に移動するしくみだ。 ブルトン氏はさらにプログラムを駆使し、停車中も倒れないバランス機構を開発した。本体の傾きを検出すると、バランスを取り戻す方向にタイヤが反応するため、完全に停車している際も倒れることがない。