一晩中「ニャーニャー」と…東京湾岸のマンションで止まらない「ウミネコ被害」 原因は「屋形船」説に猛反論も
東京湾岸の2つの小島
お台場海浜公園の目の前に、細長い2つの小島が並んでいる。戦前に防波堤として造成された地で、戦後は輸入木材の保管場所となった。新木場ができてその役割を終えた今は、都によって立ち入り禁止とされている。 この旧防波堤で鳥が繁殖し「鳥の島」と呼ばれるようになった。 「屋形船の経営者達が、この『鳥の島』に桜を植えて航行の名所にすることを考え、そこに屋形船や遊漁船の組合、建設会社などが加わり、お台場海づくり協議会が発足。15年に桜の植樹を始めたのです」(同) 毎年、この桜は2月末から3月初旬までライトアップされるようになり、乗船客を楽しませている。しかしその結果、ウミネコに何らかの影響が及び、湾岸部のマンションに営巣の場を移したという説が生まれた。
「ウミネコは飛来する程度」
お台場海浜公園と「鳥の島」に囲まれた調査範囲で確認された鳥類上位2種は、15年8月調査でカワウ(300羽)とウミネコ(104羽)だった。しかし、これ を最後に、ウミネコは上位2種に入らなくなったこともあるという。 一方、お台場海づくり協議会は次のように反論する。 「桜の植樹プロジェクトは環境に配慮して実行し、協議会では、15年6月から、年間300万円をかけて毎年4回の鳥類モニタリング調査を行っています。これまで桜のライトアップの前後でも20種以上の鳥類が確認され、桜を植えた後、現在まで鳥類相に大きな変化はなく、環境への影響はまったくないと判断しております。そもそも旧防波堤は樹林環境で覆われ、ウミネコの営巣環境ではないと考えられ、これまでの調査でも営巣は確認されておらず、ウミネコはもともと飛来する程度だと認識しています」 デイリー新潮編集部
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