失敗じゃないから、あきらめないで!暖かい秋に育ちにくいキャベツの仲間たち
『やさいの時間』8・9月号の「キャベツファミリー丸わかり」特集では、野菜別にそれぞれの特徴と育て方を紹介しました。10~11月には収穫を迎えるものもありますが、ちゃんとお手入れをしているのに、全然収穫できそうにない......。そんな状況になっていませんか? 誌面で紹介しきれなかった内容を紹介する「こぼれ話」では、じつは寒くならないと収穫できないキャベツの仲間と、その理由を紹介します。
【ケース①】ブロッコリーやカリフラワーの花蕾ができない
ブロッコリーと茎ブロッコリー、カリフラワーと茎カリフラワーは、「花蕾」と呼ばれる蕾の集合体を食べる野菜です。じつは花蕾は、株が一定の大きさに育ったあとで寒さに当たらないとできません。だから、秋が暖かい年には、株は大きく育っているのに花蕾ができず、収穫できないんです。暖かければよく育つ、というものでもないんですね。 収穫にこぎつけるポイントは、とにかくあきらめないこと。追肥をしながら、寒くなって花蕾ができるのを待ちましょう。ただしカリフラワーと茎カリフラワーは、霜に当たると花蕾が茶色くなるので、見た目を気にするなら防虫ネットや不織布で霜よけすると◎。トンネルがけまでしなくても、株の上にふんわりとかけてUピンなどで土に留めるだけで、十分効果がありますよ。
きれいなカリフラワーを収穫するなら、霜よけして寒さを待つのがベター。ただ、茶色くなっても食べる分には問題なく、味や食感も変わらない。
防虫ネットは害虫対策だけでなく、冬場の霜よけや軽い防寒にも役立つ。
Uピンは、防虫ネットなどの被覆資材を土に固定するときに便利。(撮影/上林徳寛)
【ケース②】芽キャベツとプチヴェールのわき芽ができない
芽キャベツもプチヴェールも、1枚1枚の葉のつけ根にわき芽ができ、大きく育ったものを収穫する野菜です。でも、芽キャベツもプチヴェールも、気温が高いうちはまず茎葉が大きく育ち、ある程度寒くなるとわき芽ができ始める、という育ち方をします。だから、秋がず~っと暖かいと、株は大きく育っているのに、肝心のわき芽がちっとも育たないんです。株が育っているだけに、心配になりますよね。 このケースでも、収穫にこぎつけるポイントは、追肥をしながら寒さを待つこと。どちらも寒さに強い野菜なので、気長に待てば、寒さが本格化する1~2月には収穫できますよ。わき芽を大きく育てるには、わき芽の成長の邪魔になる葉を取り除く「葉かき」もお忘れなく。