穴水に新たに50人分 支援者向け宿泊拠点、県8月中に
●民間は空室目立ち 3カ月先まで満室3割 県は今月中に、能登半島地震の復旧に当たる支援者の宿泊拠点を、穴水町のとふれあい文化センター駐車場に開設する。50人分で、能登空港など既存の拠点と合わせ、計446人分に増加する。県整備の拠点が中長期の利用者でほぼ埋まる一方、民間の宿泊施設で予約が埋まっているのは3割にとどまっており、県は支援者への周知を強化して利用を促し、宿泊事業者のなりわい再建を促す。 穴水町の新たな宿泊拠点は、被災した奥能登の各市町に派遣される行政職員に加え、公費解体や宅内配管の修繕を行う民間事業者も受け入れる。先に整備した能登空港では相部屋も設けているが、長期派遣の職員は個室を望むケースがあることから、穴水町の拠点は7月に開設した珠洲市鉢ケ崎オートキャンプ場と同じく全て個室とした。 七尾市以北6市町にあるホテルや旅館、民宿も能登半島地震で大きな被害を受けたが、支援者向けの営業を徐々に再開しており、県は支援者が宿泊施設を見つけやすくし、宿泊施設の事業再建を後押しするため、能登半島広域観光協会のホームページで空き室情報を公開している。 登録施設は87施設まで増え、市町別の内訳は多い順に七尾42、志賀13、輪島12、珠洲8、能登7、穴水5となった。ただ、3カ月先までで予約が埋まっているのは全体の3割程度にとどまっている。 このため、県は、公費解体を担う県構造物解体協会や配管修繕の業者を手配する県管工事業協同組合連合会、県建設業協会などに民間施設の利用を呼び掛けるほか、県ホームページやSNSでも周知を図っている。 一方、今後、公費解体が加速し、住宅の再建が本格化すれば、さらに宿泊拠点が必要になる可能性があるため、県は被災した奥能登の古民家を支援者向け宿泊施設に改修する支援も今月から開始した。担当者は「支援者拠点の確保と、なりわい再建を両立できるよう取り組みたい」と話した。