<解説>おさえておきたい「虎に翼」のこと タイトルの意味、寅子の名前の由来、“モデル”三淵嘉子の人生
伊藤沙莉さんが主演する2024年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)が、4月1日にスタートした。ヒロインは、日本初の女性弁護士で、後に裁判官となる猪爪寅子(いのつめ・ともこ)。朝ドラで“法律もの”を扱うのは、1996年度前期の「ひまわり」以来、28年ぶりとなり、第1週では、戦前における女性が置かれた立場に対して、疑問符ばかりの寅子が、法律と出会い、その道に進もうとする様子が描かれた。この先の寅子を読み解くため「おさえておきたいこと」を紹介する。 【写真特集】伊藤沙莉が華やかドレスで美背中見せ コミカルダンスも披露!
◇「鬼に金棒」と同義語のタイトル 「五黄の寅」に“トラママ”
「虎に翼」は、日本初の女性弁護士で、後に裁判官を務めた三淵嘉子さん(1914~84年)の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。ヒロイン・寅子(あだ名はトラコ)とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追いつめられた女性たちを救っていく姿を描く、リーガルエンターテインメントだ。
タイトルの「虎に翼」とは、中国の法家・韓非子の言葉から取られている。「強い力を持つ者にさらに強さが加わる」という意味を持ち、「鬼に金棒」と同義語だ。“トラコ”ことヒロインの寅子が、法律という翼を得て力強く羽ばたいていく姿、その強大な力にとまどい時には悩みながら、弱き人々のために自らの翼を正しく使えるよう、一歩ずつ成長していく様子をイメージしたという。
寅子の名前は、生まれ年に由来する。大正3(1914)年、「五黄(ごおう)の寅年」に生まれたことから、寅子(読みはともこ)。「五黄の寅」とは、中国に伝わる民間信仰「九星気学」において、「帝王の星」と言われる強運を持った「五黄土星」と、十二支の中で最も強い運勢を持つと言われる「寅年」が重なった年のことで、36年に1度の周期で訪れる。この年に生まれた人は非常に強い運勢を持つと言われ、特に女性は強運の傾向が強いと言われている。当然、モデルの三淵さんも「五黄の寅年」の生まれ。彼女が「トラママ」と呼ばれたことも、寅子の名前の由来の一つだ。