ディーン・フジオカ「海外での生活は、想像以上に過酷で、大きな冒険だった」
非の打ち所がないほどのルックス、アメリカ・香港・台北・ジャカルタ・東京と様々な場所で生活をし、現在も日本とインドネシアに拠点を持つディーン・フジオカさん。朝ドラや大河で、五代友厚を演じ、「五代様!」と女性たちを虜にしてきたと思ったら、『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』では復讐にだけひたすら命を燃やす男を演じたり、『正直不動産2』では非情なまでに悪徳なのに憎めない不動産業者を演じた。演じる役はいつも予定調和ではなく、ディーン・フジオカさんならではの不思議なおもしろみと存在感がある。 【画像】今も冒険心を忘れないディーン・フジオカさんの熱き視線 そんなディーンさんがゲスト声優として参加するのが、イギリスで誕生し、来年2025年には絵本出版から80周年を迎える『きかんしゃトーマス』の劇場版最新作『映画 きかんしゃトーマス 大冒険! ルックアウトマウンテンとひみつのトンネル』(4月19日公開)。トーマスが仲間たちと、力を合わせて不思議な現象が起こっている山に向かっていくという冒険ストーリーだ。 ディーンさんは声優の仕事は今回で2度目。オリジナル版はアメリカ・カナダ制作ということもあって、日本語のセリフを入れる前に英語版を観ることで、イメージを膨らませていったと話す。これは高校卒業後に渡米し、世界各国を巡り、海外という舞台で活動してきたディーンさんならではの作品の向き合い方なのかもしれない。映画のエピソード含め、様々な国を渡り歩いてきたディーンさんの「冒険心」について、前後編で話を伺った。
考えよりも体が先に動いてしまう子どもだった
『きかんしゃトーマス』といえば、子どもの頃、テレビアニメや絵本でお世話になった人も少なくないはずだ。「戦隊モノもいいけど、グッズがかわいいトーマスにハマってほしい」と願う親たちも少なくない。ディーンさんにとって、『きかんしゃトーマス』との出会いはいつだったのだろうか? 「僕らの世代は、物心ついて気づいたら観ていた、日常の中に当たり前にあったのがトーマスでした。僕が子どもだった頃、テレビで放映されていたのは、今のようなアニメーションではなくて、鉄道模型を使用した人形劇でした。子ども心には、機関車に顔がついていて、人と同じようにリアルな表情をすることが、ちょっとシュールというか、不思議だなと感じていたことを覚えています。色使いとかもちょっと渋めで、今考えるとおしゃれですが、かわいいというよりも不思議な存在でしたね。今はアニメーションなので、トーマスの味わいはそのままに、親しみやすさが増したんだな、と感じました」 ディーンさんは日本生まれの日本育ち。高校を卒業するまでに日本で暮らしていた。そういえばディーンさんの子ども時代の話はあまり聞いたことがないが、一体どんな子どもだったのだろうか。 「お気に入りのキャラクターのタオルをずっと抱いて持ち歩いているような(笑)、そんな側面もある子どもでしたが、好奇心は旺盛というか、頭で考えるよりも行動が先走ってしまう部分もありました。 例えば、家族で魚釣りに行ったとき、釣り竿で魚が餌に食いつくのを待つことがもどかしく感じて、水に入って手掴みしてしまったことがありました。また、ボウリングに行ったときも、ルールがよくわからず、詳しく説明を聞かずに、ピンを整える前に1投、2投と連続して投げてしまったこともありましたね」 考えるより体が先に動いてしまうという子どもだったという。 そんな子どもの頃に培ったディーンさんの行動力は、その後大きく開花することになる。今回のトーマスでも大きなテーマになっている『冒険』は、まさにディーンさんの人生そのものと言ってもいいかもしれない。