メルセデスベンツ GLCにPHEV「GLC350e」を追加。CHAdeMO式急速充電に対応して利便性を向上
EV走行距離を118kmに伸ばし、先進システムも搭載
2023年11月29日、メルセデス・ベンツ日本はプラグインハイブリッドのパワートレーンを搭載したSUV、「メルセデスベンツ GLC350e 4マティック スポーツエディションスター(Mercedes-Benz GLC350e 4MATIC Sports Edition Star)」を発表、また同時に発売した。 【写真】メルセデス・ベンツ GLC350eをもっと詳しく見る 全長約4.7m、全幅約1.9mのボディサイズを持つメルセデスベンツ GLCは、同ブランドのSUVラインナップの中でもミドルサイズに位置するモデルで、日本では2023年3月にフルモデルチェンジが発表されている。 その当初、グレードラインナップは2Lディーゼルターボエンジンと48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた電動パワートレーンを搭載する、GLC220d 4マティックのひとつだけだったが、今回、プラグインハイブリッド車(PHEV)が追加された。GLCのPHEVは従来モデルにも設定されていたが、とくに電動パワートレーンの強化、充電機能の充実化など電動系の進化が光る。 新型のGLC350eは、最高出力204ps(150kW)と最大トルク320Nmを発生する2L 直4ガソリンターボエンジンに、136ps(100kW)/440Nmの電気モーターを組み合わせている。エンジンのスペックだけで見るとパワーダウンしているが、モーター出力を向上させたことでシステム総合で313ps/550Nmを実現。 しかも、バッテリー容量を従来より約2.3倍の31.2kWhに拡大、118kmのEV走行距離を可能にしている。これだけのEV走行距離があれば、街中を行く日常走行はモーター駆動だけで賄えるのではないだろうか。高い静粛性によってプレミアムブランドらしさを体感できるはずだ。 もうひとつのトピックが、高速道路のSA/PAやショッピングモールなどに設置されているCHAdeMO式急速充電に対応したことだろう。従来は200V普通充電のみの対応だったことから、電動パワートレーンの使い勝手が向上したことになる。ただ、近年の日本で注目されつつあるV2H/V2L(車載バッテリーの電力を家庭や機器に供給する仕組み)には対応していないようだ。 また、コネクティッドや拡張現実、生体認証といった先進システムも導入されている。ワイド12.3インチのメーターディスプレイや縦型11.9インチのセンターディスプレイを組み合わされて機能する、対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデスベンツ ユーザー エクスペリエンス)」が標準装備され、カーナビやオーディオ、空調といったシステムを音声で操作できる。 この機能のひとつとして標準装備され、カーナビ機能の向上を図るのがAR(拡張現実)ナビゲーションだ。車載カメラが捉えた前方の映像がカーナビ画面に映し出され、ここに進むべき方向が矢印で表示される。地図表示ではなく、実際の風景に目的地案内が重ねられるため、直感的に進むべき道を判断できるというもの。 また、シートやハンドルの位置といったドライバーごとのコクピット設定、モバイル端情報などを記憶させ、生体認証(指紋、声)によって引き出すことができるようになっている。PINコードによる認証もできるが、家族や複数者所有による設定をよりスマートに行うことができるようになる。車両価格は998万円に設定されている。 【主要諸元 メルセデスベンツ GLC350e 4マティック スポーツ エディションスター】 ・全長×全幅×全高:4725×1920×1635mm ・ホイールベース:2890mm ・車両重量:2310kg ・エンジン:直4 DOHCターボ+モーター ・総排気量:1997cc ・最高出力:150kW(204ps)/6100rpm ・最大トルク:320Nm/2000-4000rpm ・モーター最高出力:100kW(136ps)/2600-6800rpm ・モーター最大トルク:440Nm/0-2100rpm ・トランスミッション:9速AT ・駆動方式:4WD ・燃料・タンク容量:プレミアム・49L ・WLTCモード燃費:11.9km/L ・タイヤサイズ:前255/45R20、後285/40R20 ・車両価格(税込):998万円