サボテンの魅力は「生命力」 札幌で多肉植物展スタート
【北海道・札幌】「多肉女子」なる言葉も生まれる中、多種多様なサボテンを集めた「サボテン・多肉植物展」(札幌市公園緑化協会主催)が24日、百合が原公園(札幌市北区)で始まりました。共催する園芸家団体の代表は、60年以上のコレクション歴を持つ生粋のサボテン愛好家。「サボテンの魅力は『生命力』」と語ります。
60年以上サボテンを集め続ける土門代表
今年で11回目を迎えるこの展示、百合が原公園の大温室を使って行われていますが、毎年週末には満員のお客さんがやって来ます。今年も初日が平日にもかかわらず、札幌市内のみならず全国各地からサボテン好きが集まりました。最近は「多肉女子」なる言葉も生まれ、静かなブームとなっています。 このイベントの共催に名を連ねているのが、1987(昭和62)年から活動を続けている園芸家団体「札幌カクタスクラブ」。代表の土門誠さんは、もともと造園業を営んでいましたが、世界各地にサボテンを追いかけていくという、生粋のサボテン愛好者です。 「小学2年の時に魅せられて以来、60年以上サボテンを集めています。今では全国各地に仲間が出来て、サボテンの交換も積極的に行っています」(土門さん)
バイソンに踏まれても「死なない」種類も
今回集まったサボテンは約300点、種類は数百に及びます。開幕前日に一気に集まったため、主催者もまだ数を把握し切れないほど。その中には200年以上も生き続けているサボテンもありました。 「烏羽玉(うばたま)というロフォフォラ属のサボテンです。私が手に入れたのは1974年。その時点で相当大きかったので200年以上生きていると思われます」と土門さん。同公園のスタッフによると「烏羽玉はトゲがなく弾力性があるので、(最大4メートルにもなるウシ科の)バイソンに踏まれても生きていける」のだとか。
土門さんは「サボテンの魅力は、何といっても『生命力』です。普通、植物は光や水を求めて、育ちやすい環境の方へ行くのですが、サボテンはその真逆ですね。どんどん過酷な方に進んでいく。判官びいきかもしれませんが、その『生命力』の強さに惹かれました」と語ります。 「サボテン・多肉植物展」は、サボテンの鑑賞だけでなく購入も可能(一部)。6月5日(日)まで開かれています。 (ライター・橋場了吾)