謎のソニックブーム、地中海沿いで観測 隕石か
【AFP=時事】地中海沿いのイタリアからフランス領コルシカ(Corsica)島にかけて20日夕方、衝撃波によって引き起こされる大音響(ソニックブーム)が確認された。観光客や住民、現地当局などは地震だと考えていたが、専門家らは21日、隕石(いんせき)によるものだった可能性があると指摘した。 【写真】隕石落下か 車の屋根に直径50センチの穴 仏 伊トスカーナ(Tuscany)州エルバ(Elba)島の自治体カンポネッレルバ(Campo nell'Elba)はフェイスブックの公式ページで、20日午後4時30分(日本時間同日午後11時30分)に「誰もが感じるレベルの地震的、音響的事象を捉えた」と発表した。 コルシカ島のメディアによると、この事象は同島でも感じられた。 トスカーナ州のエウジェニオ・ジャーニ(Eugenio Giani)知事は当初、地震だと述べていたが、イタリア国立地球物理学火山学研究所(INGV)が地震だった可能性を除外したため、撤回した。 イタリア空軍は同知事に対し、ソニックブームは同軍機とは無関係だと伝えた。 ジャーニ氏はSNSへの投稿で「トスカーナ州の沿海部全域と内陸部の一部地域で多くの人が地震だと感じた揺れを引き起こした事象について、何であったかは現時点で確認できていない」と報告した。 またトスカーナ州地球物理学研究所とフィレンツェ大学(University of Florence)は共同声明で、ソニックブームを引き起こしたのは、秒速約640キロの超高速で移動していた物体だと発表。 「大気圏に突入した隕石だった可能性が最も高く、記録されたデータと一致する」と述べた。 伊日刊紙コリエレ・デラ・セラは「地震計によって記録されたであろう衝撃について、最も可能性が高い原因はやはり航空機だろう」とするイタリア市民保護局関係者の談話を伝えた。 同紙によると、エルバ島でソニックブームが観測されたのは今回が初めてではなく、近年では2012年、16年、昨年に同様の事象が起きているが、原因は解明されていない。【翻訳編集】 AFPBB News