新札を手にするへずまりゅう（写真・保坂駱駝）

　2024年7月3日、20年ぶりとなる新紙幣の発行が始まった。東京・中央区の日本銀行本店では、午前8時過ぎ、大量の新紙幣が続々と市中の金融機関に向けて現金輸送車で運び出されていった。 【写真あり】へずまの奥さんも新札を手にニッコリ 　この日、日銀本店を訪れた岸田首相は、新紙幣の発行業務などを視察した後、植田和男総裁と共同で記者会見に臨み、「新しい時代にふさわしい紙幣だ。新紙幣が国民に親しまれ、日本の経済に元気を与えてくれることを期待したい」と語った。 「新紙幣の肖像は、1万円札が『日本資本主義の父』と呼ばれる渋沢栄一。5000円札が女子高等教育の先駆者の津田梅子。1000円札が細菌学者の北里柴三郎。 　傾けると肖像が立体的に動いて見える3Dホログラムなど、最新の偽造防止技術が採用されており、2024年度末までに、国立印刷局から日銀本支店に約75億枚が納入される見通しです」（経済ジャーナリスト） 　新1万円札の顔となる渋沢栄一のふるさと埼玉県深谷市では、2日夜、新紙幣発行を前にカウントダウンイベントがおこなわれ、1800人が集結した。2021年放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で主人公の渋沢を演じた吉沢亮もイベントに駆けつけ、町はお祭りムード一色に染まった。 　SNSでは、お笑い芸人のドランクドラゴン塚地武雅が《今日から新紙幣発行だそうで。僕はいつ手にするのかな～行ってきます。》とコメントしたように、新紙幣への期待も大きい. 　その一方で、不安や疑問を指摘する声も多い。 《新紙幣の何が許せないって、一万円札と千円札の「1」の書体が違うところなんだけどなんでみんな平気なの》 《新紙幣、今日からですね。しかしダサい。絶望的にダサい。発表されたとき、数字は「仮」、まだデザイン中なんだと思ったらこれで完成だと。ウソでしょと。》 　といったデザインに関する声もあれば、「使えない」という心配の声もあった。 《この前ガソリンスタンド行ったときに新紙幣に対応できないって張り紙が貼ってあったんだけど、昔と違って今の時代新紙幣に対応できないお店いっぱい出てきそうだから新紙幣流通しても旧紙幣取っておかないと不便そう》 　世間での混乱のなか、日銀本店前には、一刻も早く新紙幣を手にしようと多くの人が集まっていた。ただ、「新しい日本銀行券への単純な交換はできません」と日本銀行側から人が集まらないよう対策していたはずだったが──。 「裏技があるんです」と語るのは、“迷惑系YouTuber” のへずまりゅうだ。 「前回の選挙の供託金なら交換できると聞きました。今日朝6時から、妻と新紙幣の交換を来たのですが、自分より早く来て並んでいる人がいて驚きました（笑）。おろしたお金ですか？　家の金庫で保管しておきます」 　その後、へずまは《日本で一番最初に新紙幣の渋沢栄一を掴んだ男だ!!!!!!!》とXにポストしていた。 　もう一人、育休中だという別の男性は「破損した紙幣を持ってきたら、交換してもらいました」と、こちらも “裏技” を教えてくれた。 　交換しに来た人たちはみな楽しそうだった。岸田首相の目論見どおり、新紙幣は日本の経済に「元気」を与えてくれるだろうか――。