フィリピン第3四半期GDP、前年比+5.2%に鈍化 前期比では加速
Neil Jerome Morales Mikhail Flores [マニラ 7日 ロイター] - フィリピン統計局が7日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比5.2%増加と、1年以上ぶりの低成長となった。悪天候により一部政府歳出に遅れが出たほか、農業生産にも影響が及んだ。一段の金融緩和が必要なことを示す結果となった。 エコノミスト予想の5.7%増を下回り、2023年第2・四半期の4.3%増以来の低い伸びとなった。 第2・四半期は6.4%増に上方修正された。 年初来の成長率は5.8%となり、政府の目標である6.0─7.0%を下回ったが、当局者はインフレ率の低下や金融緩和により、第4・四半期は成長が再び加速すると予想している。 バリサカン国家経済開発庁長官は記者会見で「高額消費財や資本集約型インフラへの投資を中心に、民間支出の伸びが促進されると期待している」と述べた。成長率目標の達成を楽観していると語った。 第3・四半期は6回の嵐に見舞われため、政府のプロジェクトが遅れ、農業生産が落ち込んだ。 農業生産高は3.7%減と約4年ぶりの大幅なマイナスとなった。第2・四半期は3.2%減だった。政府支出は5%増と、前四半期の11.9%増から急減速した。 その一方で、個人消費の伸びは4.7%から5.1%にやや拡大した。 個人消費の改善を受けてGDPは前期比で1.7%増加し、エコノミスト予想(1.5%増)を上回った。 バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)の上級エコノミスト、エミリオ・ネリ氏はメモで、「フィリピン中央銀行は今後数カ月にわたり利下げを続ける可能性があるが、内外の事情を考慮すると、積極的に引き下げを行う公算は小さい」との見方を示した。 中銀は12月19日に次回の政策決定会合を開催する。 バリサカン氏は「中銀は利下げを継続すると予想しており、投資、特に民間建設を促進するだろう」と語った。