鳩山由紀夫元首相が映画「沖縄狂想曲」をPR「どのくらいの方に見ていただけるかに、日本の自立がかかっている」
太田隆文監督とともに初日舞台挨拶に登壇
鳩山由紀夫元内閣総理大臣が2月3日、沖縄問題を取り上げた映画「沖縄狂想曲」の初日舞台挨拶に登壇し「この映画が果たしてどのくらいの方に見ていただけるかに、日本の自立がかかっていると思っている」などと語った。 同作は太田隆文監督による作品で、辺野古基地問題をはじめとする沖縄で起こる数々の問題を取材し、有識者による解説を加えたうえで、多くの日本人が知らない現実をさらけ出す問題作。作品中では鳩山氏が「最低でも県外」と発言した真意を激白している。 舞台挨拶では鳩山氏と太田監督がトークを展開。鳩山氏は冒頭「この映画を沖縄以外の方々すべてに見てもらえれば日本の安全保障は変わるだろうなという思いがあり、いろいろなお話をさせていただいた。本当にいい作品を作っていただいた」と挨拶した。 映画については「取材していただいて感謝している。批判的な取材が圧倒的に多かったし、沖縄の問題で真実をなかなか言えない部分、あるいは言っても伝わらない部分が多かったので、映画にしてもらったのは私の人生においてもありがたいこと」と語った。
鳩山氏は現在の沖縄との関わりについて「“最低でも県外”と言って実現できなかったので“最低な奴だ”というふうに言われた。自分自身の力不足で辺野古に回帰してしまったので、当時は“だまされた”と沖縄の方はお怒りになった。当たり前だと思う。その背後の問題とか、今まで親身になって沖縄のために行動しようという総理があまりおられなかった中で、私がやりたかったことはうまくいかなかったけれども“沖縄に寄り添って行動してくれた総理だ”ということは少しずつ分かっていただいて、今ではどこよりも沖縄の皆さんが私に優しく接してくれている。今は年に4~5回は沖縄にうかがっている。辺野古の基地の所にも言って、激励とか一緒に行動させていただいたりしている」と明かす。 そして「米軍基地があるおかげで成り立っているお仕事の方もいる。そういう方がいらっしゃらないわけではない。でも米軍基地があった地域が、米軍がなくなって、その後、商店街が発展して経済が活性化された例がある。“米軍基地がなくなったら沖縄も困るでしょう”ということを平気で言う人たちがいるが、そんなことは一切ない」と沖縄の状況を説明。 また安全保障の面からも「あと21年で戦後100年になる。100年経ってもまだアメリカ軍によって日本は守られているのかみたいな。それも誤解があるが、そういう日本であっていいのかと。やはり米軍基地は基本的に全部撤去されて、日本人が本当の意味で自立していけるような国にしていく。そういった意味で一番重要な拠点が、平和の拠点としての沖縄。その役割を皆さんと一緒に見つめていきたい、少しでもお役に立てればと思っている」などと語った。