女子部員がノッカーデビューへ 「同じ舞台に立ちたい」2年越しの夢
6日に開幕する高校野球茨城大会で、県内では初めて女子部員が試合前のノックを打つ。ともに県立の土浦二と下妻二が対戦する開幕試合で登場する予定。「同じ舞台に立ってチームメートの背中を押したい」。入学時から憧れてきた2年越しの願いを、この夏かなえる。 【写真】茨城大会で初めて女子部員としてノッカーを務める土浦二2年の小林ことさん=2024年7月1日午後5時23分、茨城県土浦市、古庄暢撮影 女子部員としてノッカーを務めることになるのは、土浦二の2年生部員・小林ことさん(16)。 プロ野球好きの父の影響で、子どもの頃から野球が好きで、中学時代は学校の軟式野球部に所属。2年生からは部活を続けつつ、県内の女子軟式野球チームにも入り、外野手として腕を磨いた。 高校は自宅から通いやすい土浦二を選択。女子野球部がなかったが、硬式野球部の相良真博監督(39)から「野球を続けてみないか」と誘われた。 くしくも、その年の選抜大会から、甲子園では女子部員のノッカーとしての参加が認められていた。 小林さんは普段、男子部員と一緒に練習し、他校との練習試合にも出場する。ただ、公式戦には出場できない。 入部を決めたとき、自分のなかで折り合いはつけた。でも「仲間と一緒に同じ舞台に立つ機会が少しでもあるなら、立ちたい」。小林さんはそう願って、相良監督や校長を通じて県高野連に希望を伝えていた。 先月11日、県高野連が女子部員の参加を決定。小林さんは、翌日のネットニュースで知った。「とてもうれしかったし、いよいよだと思えて緊張も感じた」。19日には、鈴木晴人主将(3年)が組み合わせ抽選会で開幕試合を引き当てた。 試合前ノックの時間は、各校7分。「本当に一瞬のことかもしれないけど、その時間を目いっぱい楽しみたい。部のみんなを、気持ちよく試合に送り出せたら最高です」 平日の練習後、1人グラウンドに残ってノックの練習を続ける日々だ。(古庄暢)
朝日新聞社