ウーバーイーツ配達員の戦い・広島死闘編【チャリンコ爆走配達日誌】
2日目も紙屋町付近でアプリを立ち上げたのですが、流されたのは北側にある大町というエリア。初日ほどではないものの、少し高いところにある住宅地とマクドナルドの間の往復で脚力を持って行かれた上、高台にある住宅の中にはエレベーターのない集合住宅もけっこうあり、午前中で足がやられて身も心もボロボロになって紙屋町へ。ここの松屋から市内の西側にある己斐というところまで牛丼を運んだ後、受けた注文の配達先に示された場所は、ここから遠くに見える山の山頂付近。 映画『仁義なき戦い』の第4作「頂上作戦」で、小林旭さん演じる武田明が「広島の喧嘩いうたら、とるかとられるかで」と言っていましたが、こちらも「広島の自転車ウーバー言うたら、足を取るか取られるかで」といった感じで山の上に切り開かれた住宅地まで届けました。 この山頂までの配達で心が折れたため、16時過ぎに配達を中断。この後、値段を気にせず牡蠣料理などうまいものを食べるとやる気が回復。結局日付が変わるぐらいまで配達を続けることができました。 最終日は17時30分にバス乗り場へ行かなければならないので、再び紙屋町へ向かい、依頼を吟味して配達することに。そのため1回平均500円ほどの近距離の配達ばかりでしたが、東京よりも効率よく稼げました。ただ、広島の中心部から2、3kmの範囲にあるマンションは4、5階建てでエレベーターのないところが多く、この日も足をやられ、15時過ぎ、ボロボロになって配達終了。おいしいお好み焼きと焼きそばを食べて、バスに乗って帰りました。 広島の配達で気づいたのは、お好み焼き店からの注文。ホテルに宿泊する方へ届ける料理はお好み焼きでしたが、地元の人へ運ぶのは焼きそばばかり。なんでだろうと思い、最終日にお好み焼きと焼きそばを食べ比べたところ、店で食べるお好み焼きはそばがパリッとしていました。そして焼きそばも野菜少なめでパリッとした仕上がりでした。 おそらく広島の方はパリッとしたそばの食感が好みで、キャベツなどの具材をプレスして仕上げるお好み焼きはウーバーで運ばれる間にキャベツの水分が出てしまいビシャッとなってしまうため、水分があまり出ない焼きそばを頼んでいるのでしょう。 余談ですが、もうひとつ気づいたのは、ライオンズマンションの前にあるライオンの像の多さ。都内ではたまにしか見かけないライオンの像ですが、広島の中心部のライオンズマンションはほとんどのところにライオンがいました。 3日間で稼いだ金額が、1日目1万8095円、2日目1万8126円、3日目6868円の計4万3089円(うちチップ283円)。食費が9000円。広島遠征のトータルは1万5389円のプラスとなりました。1日あたり5000円ほどの稼ぎだったので大きな収入ではありませんが、運動して現地でおいしいものをたくさん食べて1日5000円もらえるのであれば、旅先でウーバーを楽しむのはいい遊びだと思います。 文・撮影/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明