村井新駅舎の使い勝手◎ 利用開始1カ月 自由通路・待合所が好評 長野県松本市
長野県松本市がJR東日本と共同で建設した村井駅新駅舎の利用が始まって1カ月が経過した。駅西側から自由通路を通って改札口に直接向かえるようになり、利用者からは歓迎の声が上がる。広めの待合所や図書館機能を有する部屋もあり、高校生や大学生らが勉強に励む姿も見られる。一方で、西口周辺は駅利用者を送迎する車が増えて近隣住民の車の通行の妨げになったこともあり、交通整理が課題となっている。 新駅舎は3階建てで、1階に待合所やトイレ、2階に図書館の蔵書などを取り寄せて借りられる「図書館サービスポイント」、3階に改札と東西自由通路が設けられている。 自由通路の完成で、駅西側へのアクセスは飛躍的に向上した。駅の西にある職場へ通う安曇野市の女性(46)は「以前は交通量が多く狭い踏切を渡っていた。今は安心して通え、通勤時間も短縮された」と喜ぶ。駅舎内の待合所は学生であふれ、駅近くに住む短大生の女性(19)は快適さを気に入り「テスト前は毎日来て勉強したい」と歓迎した。 市中央図書館によると、図書館サービスポイントは蔵書などを1日平均で20点貸し出している。利用者は順調に増えており、藤森千穂館長は「近隣の住民から『近くで本を借りられ便利でありがたい』との声を頂いた」と話す。JR東日本長野支社は「鉄道利用者以外も駅舎を利用しており、地域の方が集い、にぎわう駅になりつつある」とみる。 一方、西口周辺は送迎する車で混雑する場面が見られる。電車通勤で毎日、村井駅を利用する女性(55)=小屋南2=は「自由通路ができて便利になったが、西側の住宅地の交通量が増え、街灯が少ないので不安な面もある。歩道なども整備して」と求める。 市は令和8年度末の完了を目指し、駅の東口、西口の双方にロータリーを設けるほか、駐輪場の建設などを進める予定で、事業に理解を求めている。
市民タイムス