【霞む最終処分】(40)第7部 原発構内の廃棄物 東電対応その場しのぎ 早急に処理の道筋を
柳原らが所属する日本原子力学会の廃棄物検討分科会は、2020(令和2)年に福島第1原発の廃炉に伴う廃棄物管理対策に関する報告書を取りまとめた。廃炉作業が完了し、敷地を再利用できるようになるまでには最短でも100年以上かかると試算。その場合、最大で約780万トンもの放射性廃棄物が出ると推計した。一般的な商業原発1基の廃炉で発生する放射性廃棄物が「多くて数万トン程度」とされているのと比べてはるかに甚大な量だ。 報告書は原発由来の廃棄物を巡る国の対策について「先送りされる傾向がある」と厳しい目を向ける。その上で「第1原発では先送りすれば、廃炉完了の時期が延びることになる」と、問題が困難であろうとも、目をそらさぬよう警告している。(敬称略)