鍼治療で「ズーン」と重く感じるのは何故ですか? 鍼灸師に聞いてみた
鍼治療(施術)で「ズーン」と重く感じるのはなぜ?
編集部: 鍼で「ズーン」と重く感じることもあるのですか? 佐治先生: そうですね。鍼の太さや鍼を刺す深さなどとは関係なく、特定の部分だけ、鍼を刺したときに「ズーン」と重く感じることがあります。これは多くの場合、凝り固まった筋肉に鍼が当たるときの感覚なので、心配はいりません。 痛みやしびれなどの不調を感じている方は、多くの場合、先ほどの「トリガーポイント」が身体のどこかに存在していると考えられます。 この部位にしっかりと鍼があたると、硬くなった筋肉に鍼がアプローチできているということですので、症状の緩和が期待できるのです。 編集部: トリガーポイントに鍼があたると、痛みやしびれの緩和が期待できるのですね。 佐治先生: はい。さらに、トリガーポイントを鍼で刺激すると副交感神経機能が活性化するので、痛みの抑制効果だけでなく、免疫の活性、ストレスに対する防御力、耳鳴り、めまいといった不定愁訴の軽減なども期待できます。
鍼の施術院を選ぶときのポイントを教えて!
編集部: 鍼はどんな人でも受けられるのですか? 佐治先生: 基本的にはどんな人でも受けられますが、妊娠している人や妊娠の可能性がある人は、可能な限り申し出てください。うつ伏せではなく横向きで施術するなど、対応させていただきます。 また、体に鍼を刺しますので、いわゆる「血液サラサラ」の薬を飲んでいる人や何らかの理由で感染症に感染しやすい人なども注意を払って施術を行います。 編集部: それはなぜですか? 佐治先生: 鍼を刺した際にわずかな出血を伴うことがあり、その際血が固まりにくくなるお薬を飲んでいる人の場合は、そうでない人と比べて血が止まりにくい可能性があります。 また、お薬の副作用などで感染しやすくなっている人は、鍼を刺した部分から、細菌やウイルスが入った場合のリスクを考慮する必要があるからです。しかし、これらに当てはまる方も申し出ていただければ、相応の配慮をいたしますので安心して鍼を受けていただけます。 編集部: では、施術院を選ぶときのポイントを教えてください。 佐治先生: まずは、信頼できるスタッフがいるところです。ホームページなどで、「お客様の声」「口コミ」などを参考に、結果を出しているところを選ぶと良いでしょう。 あとは、鍼だけよりもほかの治療も組み合わせた方がより高い効果を期待できるので、カイロプラクティックや整体、物理療法などを組み合わせて施術ができたり、地域の医療機関と連携が取れていたりするところだと安心です。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。 佐治先生: 「鍼に興味はあるけど、なんとなく怖い」「痛そうで不安」という声をよく耳にします。個人差はありますが、鍼は「鍼を刺す」という行為から想像するほどの痛みは感じません。 ズーンという感覚も「ちょっと嫌だ」という方には、あえてポイントを避けて施術することも可能ですので、身体や心の不調を感じている方はぜひお近くの鍼灸院や治療院に相談してみてください。