弥生時代の仮家塚遺跡で大型竪穴住居跡を確認 山形大の発掘調査団 南房総(千葉県)
南房総市府中にある仮家塚遺跡で発掘調査を進めてきた、山形大学の仮家塚遺跡発掘調査団(代表・白石哲也准教授)が23日までに、弥生時代の大型竪穴住居跡を確認した。安房地域最古の農耕集落である可能性が高いという。 仮家塚遺跡では、平成5年の旧三芳村教育委員会の調査で、弥生時代中期後半始まりの時期(紀元前2世紀ごろ)の、方形周溝墓群が発掘されている。この時期は、南関東に稲作が広がっていく考古学的にも重要な時期だが、遺跡数が少ないため、同大学が令和3年から独自に学術調査として発掘を進めてきた。 今回見つかったのは、縦約10メートル、横約8メートルの楕円(だえん)形の竪穴住居跡。6メートル四方である通常の竪穴住居跡に比べて大きく、白石准教授によると、集落の重要人物が使用していた可能性もあるという。 同調査団は今後も発掘を進め、住居の詳細な時期の確定や、集落の生活様式、食生活の研究などを進めていく予定。 白石准教授は「朝鮮半島から稲作が伝わり、さまざまなルートで日本に広がっていった。今回の発掘では、南関東での広がりの一端を解明する手がかりの一つになると思う。研究ができるのは、地域の皆さまのご理解があってこそ。今後とも調査を続けていきますので、よろしくお願いします」と話している。