福島県内不登校最多4338人 2023年度小中学校 前年度比792人増 多様な教育機会が重要
2023(令和5)年度に福島県内の小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒は前年度比792人増の4338人で、過去最多を更新した。高校は467人で前年度より37人増加した。通学を無理強いしない保護者が増えたことや、特別な配慮が必要な子どもへの学校側の支援が不十分なことが増加の背景にあるとみられる。県教委が31日、文部科学省の児童生徒の問題行動・不登校などの調査で福島県の結果を公表した。 不登校の理由は、今回から質問項目を見直し、学校側が判断した要因ではなく把握した事実を尋ねた。公立の小中学校では「学校生活にやる気が出ないとの相談」が最多でいずれも3割程度だった。「生活リズムの不調」や「親子の関わり方」に関する相談などもあった。県立学校の全日制では「不安、抑うつの相談があった」が39・3%で最も多く、定時制では「生活リズムの不調」を訴える声が30・0%で最も多かった。 再び登校できるようになった児童生徒の割合を示す復帰率は小中学校でいずれも約3割にとどまった。高校については全日制で37・6%、定時制で62・5%だった。
県教委によると、小中学校では学年が上がるごとに不登校が増える傾向にあるという。中学校への進学に不安を持つ児童にスクールカウンセラーが相談を聞く機会を早めにつくり、組織的かつ計画的な支援を充実させる。また、不登校の子どもの学びの場として来年度からオンラインで学べる環境を県内全域に整備する考えだ。 福島大人間発達文化学類付属学校臨床支援センターの青木真理教授は、学校に通いづらい子どもの居場所として学校内に設けている「スペシャルサポートルーム(SSR)」や「学びの多様化学校(旧不登校特例校)」の設置など、多様な教育機会の重要性を指摘し、「子どもの悩みを聞き、指導する常勤スクールカウンセラーの試験配置も検討してほしい」と話した。