根っからの車好き パトレイバー車制作した男のこだわり
「特車二課整備班」のつなぎでお仕事
小野さんは、自らも「特車二課整備班」のつなぎを着用。なんと同映画にも出演しており、運転やデッキアップも担当しているという。これだけの代物はそう2つとないもの。動かすだけでも大変だが、演出にもこだわりを見せている。「このレイバーは旧型のものという設定のため、汚れている様子も出しています。ピカピカではおかしいですからね」
なるほど、よくみたら白いイングラムは黒ずみなどがあちこちに。わざわざヤスリなどを使ってその雰囲気をかもし出しているそうだ。 東京を中心に全国各地でイベントを開催してきたが、大阪での思い出は昨年8月。南港で西日本に初上陸し、初めての雨中でのデッキアップも体験した。「1週間ほどイベントを行い、台風が来ていた関係で中止になった日もありましたが、大阪のファンの方々はずっと見に来てくださった。初めて夜のデッキアップも担当しましたんでね。忘れられないものとなりました」
とうとうここまで来ました
グランフロントで行われたイベントも、広さからどのような感じでやれるか、また、周知なしでのイベントとなったため不安もあったが、それをふきとばすかのように多くの人たちが集まった。「大阪の方たちの前でやるときは、風とともに立ち上がる感じでうれしい」と笑顔で語る。 また、この場所で外国の人も多いことから、その反応を見るのも楽しかったという。いよいよ1日から「パトレイバー 首都決戦」が全国で公開される。これまでの集大成ということで、イベントの一つひとつにも気合いが入るが、安全などを確保しながらのデッキアップをするときのまなざしは、ふだんと違って鋭いものに。「とうとうここまで来ましたからね。1人でも多くの人に映画を見ていただけたらうれしいです」 このイベントの翌日には兵庫県神戸市長田区や同県姫路市の姫路城前でもイベントを開催。「自分は意ってみれば車が車バカなんで(笑)」。そう語りながら仲間とともに作業する背中は、その道ひと筋で生きる充実感に満ちあふれていた。