奈緒、20歳で上京してから10年 悩みから救われた演出家の言葉「すごく息がしやすくなりました」
来年30歳に「自分自身の生活にちゃんと向き合える人になりたい」
2015年に20歳の時に福岡から上京し、17年に現在の事務所に所属。18年にはNHK連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロイン・永野芽郁の親友役でブレーク。29歳になった今年も映画、ドラマに大活躍。映画では『陰陽師0』(公開中)、主演作『先生の白い嘘』(7月5日)、藤ヶ谷太輔とのダブル主演作『傲慢と善良』(9月27日)と4本が公開予定。1月期には木梨憲武の娘役を演じた関西テレビ・フジテレビ系『春になったら』も話題になった。 「気がつけば、20代最後の年かという思いです。自分が思い描いていた以上にたくさんの作品と人に出会えて、本当にすごく幸せな20代だったと思います」 演技の質が変わったと自覚したのは22年の主演舞台『恭(うやうや)しき娼婦』(演出・栗山民也)という。哲学者ジャン・ポール・サルトルの戯曲で、アメリカ南部を舞台に、冤罪を被らされて逃走する黒人青年(風間俊介)をかくまおうとする娼婦リズィーの物語だ。 「それまでも、自分ができない部分、役を受け入れられない部分があって、悩むことも多かったんですが、栗山さんからは『本気で迷っている姿を見せてほしい。だから、本当に悩んでいいんだ』とおっしゃっていただき、すごく息がしやすくなりました。自分の不器用さも受け入れ、揺れがあるからこそ、お客さんに伝わるものがあるかもしれない。できないことがお芝居につながることもあると思えて、すごく楽になりました」 演技だけではなく、バラエティー番組でも如才なくこなすが、実は緊張しいの一面もあるのだという。30代に向かってはどんなことを心がけているのか。 「映像作品では、自分に近い年齢の役をいただく機会が多かったので、今後も劇的に変わることってないかもしれないですが、自分自身の生活にちゃんと向き合える人になりたいな、と思っています。だから、もっと自分のことを知りたいと思っていますし、新たな挑戦することもやめたくないです」と笑みを浮かべた。 □奈緒(なお)1995年2月10日生まれ。福岡県出身。連続テレビ小説『半分、青い。』(2018)でヒロインの親友役に抜擢。翌年にはテレビドラマ『のの湯』(2019)での連続ドラマでの初主演や、テレビドラマ『あなたの番です』(2019)で第102回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞を受賞。2019年には『ハルカの陶』で映画初主演。2023年エランドール賞新人賞を受賞。主な映画出演作に『事故物件 恐い間取り』(20)、『みをつくし料理帖』(20)、『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(21)、『マイ・ダディ』(21)、『草の響き』(21)、『あなたの番です 劇場版』(21)、『余命10年』(22)、『TANG タング』(22)、『マイ・ブロークン・マリコ』(22)、『#マンホール』、『スイート・マイホーム』(23)。『陰陽師0』が公開中。待機作に『先生の白い嘘』(7月5日)、『傲慢と善良』(9月27日)など。 ヘアメイク:竹下あゆみ スタイリスト:岡本純子
平辻哲也