横瀬町「秩父札所10番」大慈寺、夫婦龍の「龍の鱗」お守り授与
秩父札所10番「大慈寺(だいじじ)」(横瀬町横瀬)が11月23日、「龍(りゅう)の鱗(うろこ)」を模したお守りの頒布を始めた。このお守りは、本堂に施された「夫婦龍」の装飾をモチーフとしたもの。(秩父経済新聞) 【写真】「龍の鱗」お守りは、本堂に施された「夫婦龍」の装飾をモチーフとしたもの 同寺は、秩父を舞台にした2015(平成27)年公開のアニメ映画「心が叫びたがってるんだ。」(通称「ここさけ」)に登場する寺として知られる。映画公開後、作中に登場する卵をモチーフにしたお守りが、参拝者の要望を受け2021年に誕生。卵のデザインは、本堂に飾られた「さるこ」と呼ばれるつるしびなに由来するとされる。「さるこ」は猿の形をした飾りで、丸みを帯びた形状が卵を連想させ、劇中のお守りのデザインにつながったとされる。 卵型のお守りは頒布を始めてから年間100個ほどが求められているという。副住職の斉藤雄大さんは「アニメの影響で参拝に来る人の年齢層がぐっと下がった。このお守りやアニメがきっかけで、若者向けに親しみやすい寺の在り方を考えるようになった」と話す。 この経験を経て2022年、横瀬町観光協会と連携し、町内8カ所の寺で「切り絵御朱印」を導入。若者にも楽しんでもらえるようにと、斉藤さんが観光協会職員と共に各寺へ訪れ企画の説明やデザインの調整を行った。同寺では本堂に施された夫婦龍の彫刻をデザインに採用し「恋愛成就」「夫婦円満」を願う寺として、新たな側面を発信してきた。 今回頒布を始める「龍の鱗」を模したお守りは、「一生を共にすると決めた相手に、龍が自身の心臓に一番近い鱗を贈った」という言い伝えを元にした。直径約3センチの縦長の五角形で、青や紫、緑などのグラデーションがそれぞれ異なる。印字のないシンプルなデザインで、全てが一点物。「お守りとしてだけでなく、ストラップやキーホルダーとして友人への土産にしてもらってもいい。アニメや親しみやすいお守りなど、気軽に参拝する理由を設けることで、信仰や札所巡りなどの関心につながれば」と斉藤さんは期待を込める。 お守りは同寺の納経所で頒布する。納める金額は500円。
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