GB版「ちびまる子ちゃん」も…ロサンゼルス・リトルトーキョーのブックオフは「中古レトロゲーム」天国だった!【アメリカ渡航レポート】
ブックオフは、日本では「古本チェーン店」として知られています。 しかし、国が変われば店の中身も変わります。アメリカ・ロサンゼルスのリトルトーキョーに進出しているブックオフは、古本の店というよりもアニメイトのような「オタクショップ」としての色合いが強く、棚に陳列されている商品も漫画やフィギュア、アニメDVD、そして中古ゲームソフトで占められています。 【画像全9枚】 そんなロサンゼルスのブックオフに行ってきました! オタク文化発信地「リトルトーキョー」 羽田空港を午後5時10分に発った筆者は、現地時間午前10時30分にロサンゼルス国際空港に到着しました。 まるまる10時間のフライトの末、到着したのがその日の午前中。これはもう、時差ボケ必至のスケジュールです。日本時間だと、本来なら布団の中で寝ている時間。フラフラの足をどうにか前に進め、Uberの車両に乗って向かった先は宿泊先のホテル……ではなく、ロサンゼルス中心部にあるリトルトーキョー。アメリカの日本人街が果たしてどのようなところなのか、以前から興味がありました。 まずは生涯に一度は行こうと決心していた「全米日系人博物館」を見学します。静岡県静岡市在住で両親の家系も漏れなく静岡人の筆者にとって、アメリカ連邦議会下院議員を務めたノーマン・ミネタ議員は大叔父のような人物。というのもミネタ議員のお父さんは清水町、お母さんは三島出身です。自分と近い出自の人がアメリカの国会議員だったということ、そして戦時中は強制収容所に入れられていたということはどうしても見過ごすわけにはいきません。 日系人が歩んできた歴史は、ロサンゼルスのど真ん中にリトルトーキョーという地区を作りました。そのリトルトーキョーは、今や日本のオタク文化の発信地になっています。 そんな現地に着いてみると、見るからに「オタク」という感じの方がブックオフに入っていきました。筆者もそれにつられるように入店すると、待ち受けていたのは「ミニ秋葉原」と形容すべき光景です。おおっ、フィギュアも売られてるじゃないか! 元の所有者の名前が書かれたファミコンソフト しかしそれ以上に異彩を放っていたのが、レトロゲームコーナー。 なんと、日本から輸入されたファミコンカセットが売られています。なぜ「日本から輸入されたもの」だと分かるかというと、カセットに元の所有者であろう人物の名前が書かれているから。 カセットに自分の名前を書く子って、クラスに何人かいましたよね!? 写真ではプライバシーに配慮して文字を伏せましたが、しっかりした大人びた感じの字からして、お母さんが子供の名前を書いてあげたのかな? と思われます。 ともかく、この名前があるおかげでこれらはちゃんと日本から持ってきたものだということが分かるわけです。ただ、ラインナップを見ると「アメリカのゲーマーは本当にこんなソフトで遊ぶのか!?」と疑問に感じてしまうカセットもあります。 『闘将!! 拉麺男(たたかえ ラーメンマン)』 「キン肉マン」のゆでたまごのお二方(中井先生と嶋田先生)が送り出した快作『闘将!! 拉麺男(たたかえ ラーメンマン)』。この作品がファミコンソフトになっていることは、非常に有名です。 バンダイから発売された本作は、ラーメンマンの空中殺法と超人拳法の大迫力を再現したゲーム……と言いたいところですが、実際はいろいろとツッコミどころのある問題作という評価が優勢。昔の中国を再現した広大なマップを、老人よりも歩行速度の遅いラーメンマンが時間をかけて歩くという内容です。たまに出てくる敵を、あまり迫力のないパンチとキックでやっつけながらほぼノーヒントで無駄に膨大なシナリオを攻略していきます。攻略本がないとクリアは不可能ではないでしょうか。 てか、日本人がやっても難しいのに日本語読解ができないアメリカのゲーマーにクリアできるわけないよね!? でもなぜか、ロサンゼルスのブックオフで売られてるんです。 『忍者らホイ! 痛快うんがちょこ忍法伝!!』 さらに強烈なソフトも売られています。それは『忍者らホイ! 痛快うんがちょこ忍法伝!!』です。 名作RPG『桃太郎伝説』の開発チームが手掛けた一本で、パロディや下ネタが非常に多いのが特徴。そして、カセットがやたらデカい! 内容は決してクソゲーレベルではなく、攻略本も日本の忍者にまつわる史跡や観光地を紹介する内容があったりして、結構充実していたりします。 でもやっぱ、このゲームの内容をアメリカのゲーマーが理解できるのかなぁ……という心配が拭えません。日本語が分からない人は、これをどうやって攻略するんですかね? 『ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦!』 リトルトーキョーのブックオフには、ゲームボーイのソフトも並んでいます。 その中で特に存在感を発揮していた(と筆者が勝手に感じた)のは『ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦!』。ちょっ、ちょっと待て!? このソフト、上の2作品にも増して結構な問題作だぞ!! これは「ちびまる子ちゃん」の主人公まる子が、地元住民とお金を賭けたミニゲームをしてお小遣いを稼ぐという内容。デパートで欲しい物を買うために、小学生がお母さんの目を気にしつつ賭場を開いて所持金を増やしていきます。そのせいで「賭博黙示録マルコ」とまで呼ばれる始末。 敢えてもう一度書きますけど、こんなゲームをアメリカ人はどうやって攻略する気なんですか!!!!???? ゲームを通じた文化交流 そんなリトルトーキョーのブックオフは、あらゆるレトロゲームカセットを売ることでアメリカのゲーム文化に良い意味でのインパクトを与えているという側面も見て取れます。 良ゲーであれクソゲーであれ、日本という国の文化が生み出した結果作品であることに変わりはありません。ロサンゼルスのオタクやクリエイターはそれを積極的に取り入れ、より良い作品を生み出そうとしています。「ゲームを通じた文化交流」の一側面を、筆者はブックオフで観察することができました。 (提供:エレクトロニック・アーツ)
Game*Spark 澤田 真一
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