王者・藤田健児が左手首骨折しながら判定で初防衛に成功
◆プロボクシング▽WBOアジアパシフィック・フェザー級(57・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・藤田健児―同級3位ロデックス・ピアラ(6月1日、後楽園ホール) 王者の藤田健児(帝拳)が8回に左手首を骨折しながら、挑戦者の同級3位で無敗だったロデックス・ピアラ(フィリピン)に3―0の判定勝ちして王座を守った。試合後は「こんな試合を見せてしまってすいません。ただ、8回で左手首骨折してしまって」と明かし、後半4ラウンドを右手一本でしのぎきって初防衛に成功した。 戦績は30歳の藤田が7勝(3KO)、ピアラが10勝(1KO)1敗。 今年1月にプロ6戦目で王座を獲得した藤田は初防衛戦に向け、「強さを見せる」をテーマに掲げていた。これまでは足を使ったスタイルだったが「無駄な動きも多かった。足をしっかり地につけることでしっかりした土台ができる」としっかりしたパンチを打ち込む攻撃的なスタイルへの変換を模索してきた。 10冠を獲得したアマチュアで174戦(153勝21敗)し、プロ入りは遅くなったが目標はあくまで世界王座。「ほんの少し世界の光りが見えてきた。これからは世界に向けてのアピールの場になる」と必勝を期して臨んだ。 3月3日に一般人女性と結婚し、食事面などでサポートを受けてきた。結婚後、初の試合となるだけに、夫人のためにも負けられない一戦だった。 しかし、5回に右フックから攻め込まれ、右ストレートをまともに受けて左目の上をカットした。6回からは再び右フックやボディーでリズムを取り戻すが、時折相手のカウンターを被弾。8回にピアラの「右オーバーハンドを左手でブロックした時に痛めてしまった」という。 9回には偶然のバッティングでピアラも左目の上を切って流血。11回にはピアラが打ってこいと挑発するような行為を見せるなど、攻勢に出たが、藤田は冷静に受け流し、最後のラウンドは距離を保って隙を見せず。痛みをこらえて試合を終わらせた。試合後、王者は関係者とともに病院へ直行した。
報知新聞社