厚生年金の受給額「月10万円」は平均より少ない?もらえる人はどのくらいか。老後資産を作るコツも徹底解説
「国民年金(基礎年金)のみ」の月額平均はいくらか?
先ほどの厚生年金は国民年金を含む平均月額でした。 次に、国民年金部分だけの平均月額について見てみましょう。 ●国民年金(老齢基礎年金)の受給額 〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ●【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み) ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人 国民年金のみの平均受給額は5万6316円です。この金額で老後の生活を賄うのは難しいでしょう。 では、月額10万円の年金を受給する場合、厚生年金部分だけではいくらになるのでしょうか? 国民年金の平均額を差し引いて計算してみます。 月額10万円 - 5万6316円(国民年金の平均受給額) = 4万3684円 厚生年金部分だけでは月額4万3684円という計算になります。
老後資金対策「4つの方法」を解説
年金受給額の個人差が大きいことが、平均受給額のデータからも明らかになりました。そこで、老後の資金計画に役立つ「4つの方法」を紹介します。 ●年金受給額の確認 老後資金対策の第一歩は、自分の年金受給額を正確に把握することです。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用し、将来の受給額を確認しましょう。 ●公的年金の増額策 公的年金の受給額を増やすためには、受給開始年齢を遅らせる繰り下げ受給で、受給額を増加させることができます。 ●私的年金の準備 公的年金だけでは老後の生活が厳しい場合、私的年金の準備も選択肢の一つです。個人型確定拠出年金(iDeCo)で、税制優遇を受けながら積み立てられる制度もあります。 ●預貯金と資産運用 また、貯蓄や資産運用を通じて、老後資金を増やす方法もあるでしょう。 ・預貯金:計画的に貯蓄を行い、緊急時の備えを確保しましょう。 ・新NISA:2024年に導入された新しいNISA制度を利用し、投資信託や株式投資を始めることもおすすめです。 老後の資金計画には、多角的なアプローチが必要です。公的年金に加え、私的年金や資産運用を組み合わせることで、安心した老後を迎えるための準備を整えましょう。 自身のライフスタイルや将来の目標に合わせた老後資金対策を考え、今からできることを始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」 ・日本年金機構「ねんきんネット」
齊藤 慧