友人に「退職金がない」と話したら「正社員じゃないの?」と聞かれましたが、正社員だと普通はあるのでしょうか?
正社員として働いているのに、退職金がない場合、友人や家族に驚かれることがあるかもしれません。しかし、退職金の支給は必ずしもすべての正社員に保証されているものではなく、企業や業界によって大きく異なります。 本記事では、正社員の退職金の一般的な実情や、退職金がない場合の対策についてわかりやすく解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
正社員には退職金があるのが一般的なのか?
まず「正社員=退職金がある」という認識は一般的ですが、実は企業や業界によって大きな違いがあります。退職金はあくまで企業が従業員に対して任意で設定する制度であり、法律で支給が義務付けられているわけではありません。そのため、退職金制度の有無や金額、支給条件は各企業の判断によります。 労働環境の変化や人件費の抑制により、一部の企業で退職金制度の見直しが行われていますが、大企業を中心に多くの企業では依然として退職金制度を維持しているのが現状です。日本の多くの企業では「終身雇用」を前提に、長期勤務を基準とした退職金制度が導入されていました。しかし、経済状況の変化により、政府は成長産業への人材移動を促進するため、終身雇用を前提とした退職金制度の見直しを進めています。
退職金制度がない企業や業界の実情
企業や業界によっては、退職金制度を導入していない場合もあります。特に外資系企業やベンチャー企業、IT業界などでは、退職金よりも給与やボーナスに上乗せする形で処遇するケースが多く見られます。これは、会社が求めるスキルや能力に応じて柔軟に報酬を支払う方が効率的だと考える経営方針が背景にあるためです。 また、一般的な日本企業でも、人件費の削減や経営合理化の観点から退職金制度を廃止し、代わりに「企業型確定拠出年金」を導入するケースも増えています。確定拠出年金は、従業員が自己の意思で積立額を決め、その運用成果に応じて受け取る金額が決まる制度で、退職金の代替手段とされています。
正社員でも退職金がない場合の対策方法
もし正社員でありながら退職金がない場合、退職後の資金確保のために事前の準備が重要です。退職金がない場合でも、これから紹介する手段を活用して計画的に資金を準備することで、安心して将来に備えられるでしょう。 ■iDeCo 企業型確定拠出年金がない場合、個人で積み立てる「iDeCo」が活用できます。掛け金が所得控除されるため、税金の節約にもなり、老後資金を計画的に積み立てられます。 ■積立型の保険商品や投資信託 老後資金を増やすために、長期的な投資商品や積立保険なども活用できます。一定のリスクはあるものの、計画的に積み立てていくことで将来の資金に余裕を持たせることが可能です。 ■退職金相当額を貯蓄 毎月の給与から少しずつ貯金し、退職金相当額を自己資金として積み立てていくのも一つの手です。給与天引きの財形貯蓄や定期預金などを活用すれば、無理なく貯蓄を続けることができます。
まとめ
退職金がないと聞くと不安に感じるかもしれませんが、退職金制度が必ずしもすべての企業に設けられているわけではなく、正社員であっても退職金のない企業は珍しくありません。 大切なのは、自分の勤務先の退職金制度についてしっかり確認し、万が一退職金がない場合には早めの資金計画を立てることです。iDeCoや積立型の投資商品などを利用して、退職後の備えをしっかり整えておくことで、安心して将来を迎えることができます。 出典 厚生労働省 確定拠出年金制度の概要 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部