《講師は橋下徹》爆笑問題事務所・タイタン初の“コンプラ研修”の中身とは?「タレントがよく巻き込まれるトラブルは…」
事務所初の「コンプラ研修」
うちのタレントたちには最新の法律知識を身につけ、自分たちの身を守ってほしい。そんな願いから、初めてこのコンプライアンス研修の企画をしたのでした。所属する芸人たちに時代の変化を学んでもらおうと思っていたのです。 〈1993年に太田光代氏がタイタンを立ち上げて三十余年。昨年末、『週刊文春』に掲載された松本人志からの性的行為を告発した記事をきっかけに、松本は活動を休止。また故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、ジャニーズ事務所は解体され、多くの所属タレントが独立することになった。こうした芸能界の大きな変化に適応するため光代氏はどう動き、次のビジョンをどう描いているのか。最終回となる今回は今まで秘してきたキャリアの引き際を語る。〉 「タイタン危機管理講習会」が開かれたのは、ウエストランド・河本の“泥酔トラブル”から間もない時期でしたが(詳しくは 本連載第6回 をお読みください)、私はそれよりずっと前からこのコンプライアンス研修の計画を立てていました。理由の一つは、タイタンは会社の大きさに比してトラブルに巻き込まれることが他事務所より多かったことです。 爆笑問題のネタは時事を扱うためか、たびたび世間で波紋を呼んでいましたし、橋下さんは突如として大阪府知事になると言って業界関係者にご迷惑をかけたりしました。以前所属していた、「間違いないッ!」でブレイクした長井秀和がフィリピンで美人局に引っかかったり……。
爆笑問題の太田光もタレントとしては優秀なのですが、テレビでは態度が悪かったり、言葉がきつく聞こえるときがあります。本人には再三注意していますが、視聴者からはよく「失礼だ」と批判されるありさまです。社長である私自身も手を焼いていました。 業界の中にいても「コンプライアンス強化」という時代の変化を体感することが年々増えていました。昨年、BBCがジャニー喜多川氏の性加害問題を報道して以来、タレントを抱える芸能事務所に対して、テレビ局や広告代理店から「コンプライアンスや人権問題について研修をしているか」という問い合わせやアンケート調査をいただくようになっていたのです。