これからも、このクラブと共に。ペスカドーラを愛し、愛された男・日根野谷建の14年【 #人生に刻むラストゲーム|Fリーグ】
未曾有の危機で深まったクラブの絆
2020年、世はコロナ禍に突入。世界的パンデミックは人々の生活を一変させ、日本のフットサル界も大きな打撃を受けた。2020-2021シーズンのFリーグは無観客開催でスタートし、各クラブとも入場料収入がゼロに。町田もそのあおりを受けるなか、クラブにとってさらなる追い討ちをかける出来事が起きた。当時日根野谷も勤務していた、大口ユニフォームスポンサーの撤退だ。次年度約2,000万円の減収が決まり、クラブ経営が危機に瀕した。 未曽有の事態を受け、2021年12月、クラブはクラウドファンディングの実施を発表。目標金額を500万円に設定し、寄付を募った。 「あの頃は正直きつかったですね。自分たち選手だけじゃなくて、クラブの運営スタッフたちが日々しんどそうにしているのも見ていたので……。でも、あの経験があったからこそ気づけたこともたくさんありました。いつも支えてくれるサポーターや地域の皆さんから激励の言葉もたくさんいただきましたし、何より“ペスカドーラファミリー”の絆がより深いものになったと思います」 現役の所属選手たちはもちろん、クラブOB、サポーターもSNSなどで必死に協力を呼び掛け、最終的に目標金額を大きく上回る812万円もの支援金を集めることに成功。町田のクラブ力が実を結んだかたちとなった。 最大の危機を脱した町田は、クラブスタッフを中心に地元企業や自治体への営業活動、地域貢献活動をさらに強化。2022年からは日根野谷もスタッフに加わり、スポンサー回りやフットサルの普及活動に奔走した。コロナ以前から根気強く継続してきた活動が実り、企業との新たな共創関係も構築されるなど、徐々に経営状態が改善。コロナ禍の入場制限が解けた2022-2023シーズンは観客動員も右肩上がりで増え、その数字はコロナ前に戻るどころか、以前の数字を大きく上回る結果に。ホーム戦の総入場者数1万6,233人を記録し、堂々のリーグ1位に輝いた。「ピンチはチャンス」を地で行く巻き返しを見せ、クラブとして数字以上の成長を実感するシーズンとなった。
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