若者の車離れで…「信貴生駒スカイライン」28年ぶり料金改定 南北縦断で1・4倍に
奈良、大阪両府県にまたがる有料道路「信貴生駒スカイライン」(約20・9キロ)の通行料金が来年3月1日から改定される。普通車で南北を縦断した場合、現行の1360円から約1・4倍の1900円に値上げされる。消費税の税率変更以外の改定としては平成9年以来、28年ぶり。 【ランキング】自動車の世界販売トップ10(2024年上半期) 運営会社の近鉄生駒レジャー(奈良県生駒市)と親会社の近畿日本鉄道(大阪市)は今回の改定について、レジャーの多様化や若者の自動車離れなどの理由を挙げ、「今後も大幅な収入増が期待できる状況ではない」と説明している。 両社によると、信貴生駒スカイラインは昭和33年に開業。信貴・生駒山系を南北に縦断し、生駒市や奈良県平群町、同県三郷町、大阪府大東市、同府東大阪市など両府県の市町を通る。大阪平野や奈良盆地を一望でき、夜景の美しさで知られる。桜や紅葉も楽しめ、周辺には「生駒聖天(しょうてん)」と呼ばれる宝山寺や生駒山上遊園地などがある。阪奈道路などから入ることができ、令和5年度は約33万台が通行した。 3月1日から料金の区間設定も変わるため単純比較は難しいが、生駒登山口から信貴山門までスカイラインの南北を縦断した場合は区間が同じで、普通車では現行の1360円から1900円と540円値上げされる。 近鉄生駒レジャーと近鉄は「災害の激甚化への対応などの安全対策を中心に、投資や修繕を継続的に行っていく必要があるため、使用料金の変更を実施させていただく」としている。