ベトナム拠点の特殊詐欺グループの主犯格の男逮捕 架空料金請求詐欺で埼玉県警など グループ解体、全容解明進める 少なくとも25件、被害総額2933万円の詐欺事件に関与か
ベトナムを拠点とした架空料金請求詐欺に関与したとして、これまでに男7人が逮捕されていた事件で、埼玉、北海道、新潟の3道県警察合同捜査本部は28日までに、詐欺の疑いで、公開手配されていた住居不定、無職の男(37)を逮捕した。 大量の携帯電話の写真 詐欺師だちが水に溶ける紙に情報をメモ、証拠を消すため溶かし塊と化していた
男は同国を拠点とした特殊詐欺グループの主犯格とみられ、同本部はグループを解体することができたとみて、組織の全容解明を進めている。 逮捕容疑は氏名不詳の者と共謀し、昨年11月22日、新潟県加茂市の無職女性=当時(60)=のスマートフォンに「ご利用料金につきましてお話ししたい事があります」などとショートメールを送信した上で「インターネットサイトの登録料などが未払いで、裁判を回避するためには料金を払う必要がある」などとうそを言い、同日~24日の間、4回にわたり男らが管理する他人名義の口座に現金79万8720円を振り込ませだまし取った疑い。調べに対して黙秘しているという。 県警組織犯罪対策(組対)3課によると昨年12月、ベトナム当局が同グループの拠点を摘発。押収した犯行マニュアルや名簿リスト、スマートフォンなどから今回の事件への関与を特定。27日に公開手配し、同日午後に大阪府内の宿泊施設に滞在していることが確認され、任意同行後に逮捕した。
23日には川口市内の鉄道駅にいたことが確認されていたが、土地勘のある大阪に逃亡を図っていたとみられる。男は拠点の出資者で、犯行に使用する口座の調達を行う管理的な立場にあったという。同本部は、グループが少なくとも11都道県で25件、被害総額約2933万円の詐欺事件に関わっていたとみて、捜査を継続している。