菅田将暉、エンタメ業界の未来は「今よりもっとクリアになっているはず」
木村佳乃、中村倫也、佐々木希、杏、松坂桃李、菅田将暉、趣里、萩原利久、杉野遥亮、夏子、堀田茜、TAKAHIROら、幅広く活躍するアーティストが所属するトップコートが、芸能マネージャーをテーマにした書籍『芸能マネージャーが自分の半生をつぶやいてみたら』(ワニブックス刊)を発売した。実態が見えにくい「芸能マネージャー」という仕事について、マネージャー本人が自身の体験談を赤裸々に語る内容。芸能マネージャーに対するタレントの生の声も収録されている。ここでは同書から、菅田将暉が話したエピソードを一部抜粋。エンタメ業界に向けた思いについて紹介する。 【写真】菅田将暉の父がブログで公開した兄弟3ショット ■アーティストになってみる マネージャーになる前に、映画やドラマを観ておくのに越したことはありません。それから、自分で何かを作ってみるといいかも。マネージャーは何かを作っている人に接する、モノ作りをする人を支えたり、それに参加する仕事です。そこで絵を描くでも、映像を撮るでも、人前で歌うでも、言葉を紡ぐでもなんでもいい。一度プレイヤーになる経験をしておく、作品をひとつ作ってアーティストになってみるのは大事かもしれません。アーティストにマネージャーの気持ちが全部はわからないように、マネージャーにアーティストの気持ちはやっぱりわからない。お互いに100%は無理だからこそ、歩み寄ることが必要です。 例えばトップコートランドで、みんなで絵を描いてしゃべるという動画を撮ることになった時。自分の描いた絵を発表した経験がないと、何を準備したらいいかはわからないでしょう。しかもそれを映像に撮るなら、どういうカタチがいいのか? 学校の美術の授業ではなく、その動画を出来ることなら作品として提出したいし、それなら見栄えがいいほうがいい。だから出来た絵をクリップのボードでただ置くより、黒い紙を背景に敷いてそこにぽんと置くほうが美しく見える。そういう発想が持てるのは、自分で絵を描いて人に見せた経験がある人だと思います。自分で、人に見せよう! と思って初めて気づける、それは人から教えられてもなかなか身につかないでしょう。 服を作るのでも、コーディネートを組むのでもいい。友達にインタビューして、その友達を紹介する動画や文章を作るのでも。そうして作って、人に見せるまでをやった人はそれが強みになるはずです。マネージャーの仕事が始まってしまうと忙しいでしょうから、その前に、「自主映画を1本撮りました!」なんて人がいたら最高だと思うのです。 ちなみにウチのチーフは、山田洋次監督が大好きで。学生時代に彼をテーマに論文を書いていたとか。だから脚本を正確に読めるし、それを演じる上での助言も出来ます。僕が山田洋次監督の映画に出演させていただいた時、チーフが監督と握手をしながらちょっと泣いていた姿を見て、「本当に良かったな」と思ったのですが、それくらいにひとりの作り手が好き! ということに始まるのもいいかもしれません。