「見直したら変な怪物にしか見えなかった」…『R-TYPE』ラスボスは実は老人だった!?形状を勘違いされる、ドット絵で描かれたモノたち
2024年11月19日、『R-TYPE』や『メタルスラッグ』シリーズの精密なドット絵を手がけていたデザイナーとして知られるakio氏が、自らの手がけた『R-TYPE』のラスボス「バイド」についての逸話をX上で公開しました。
「改めて見たら得体の知れない怪物にしか見えなかった」……ドット絵故に正確な情報が伝わらないキャラクターの悲哀
akio氏は『R-TYPE』のラスボス「バイド」について、「両手を膝に置き胡座をかいて座る、大きな頭のオデコに水晶体があり、髭を生やしエルフ耳、さらに額に大きな口があるお爺さんを描いたつもり」だったといいます。しかしながら、akio氏も関与している現在制作中のアクションゲーム『ブラックフィンガージェット』の開発グループ・コハチスタジオの代表である石黒氏には「それはまったく気づかなかった、わけのわからない怪物にしか見えなかった」と言われたといいます。
その後、akio氏が実際のゲーム内のドット絵を見直したところ、「皆さんの仰るとおり、そのドット絵は確かに得体が知れない怪物でした」と、デザインした本人がコンセプトが伝わらないドット絵になってしまっていたことを認めています。氏によれば「方眼紙の線画を着色する際、線画が輪郭の役割を果たしているので色鉛筆での着色時に輪郭を塗るのを忘れてしまい、忙しさにかまけてゲームでもその着色のまま(輪郭を描かずに)実装されてしまった」ということで、緻密なドット絵の難しさが伝わります。
とは言え、この得体の知れない感で発売から37年後も話題になったことについては、「制作者冥利に尽きますね!」と感謝の言葉を述べています。もしかしたら、その得体のしれない感はシリーズのその後の「バイド」という存在の設定の広がりの一助となったりもしたのかも知れません。
「バイド」以外にも、例えば『ファイナルファンタジーV』の「せんぷうまじん」は一見髑髏型のわけのわからない構造の機械に見えますし(リメイク版の精細になったドット絵で「上体を反らせている女性型彫像」と知って驚いた方も多いのでは?)、初代『ポケットモンスター』の「エビワラー」は「巨大な尻をこちらに向けた、謎の鳥型生物」と思っていた人も多いのではないでしょうか。また、FC版の初代『ドラゴンクエスト』の王様も、一部の攻略本で描かれた「巨大な顔」や、見方によっては卑猥に見える印象がある方もいるかもしれません。