「昔、付き合いで入った保険をそのままにしている」は要注意…遺された家族が「相続」でもめる要因【相続・終活コンサルタントが助言】
株や投資信託はこのまま保有していて大丈夫?
みんなの声 ●多くの証券会社に口座をもったまま株券が眠っています 相続人がもめる前に現金化も選択のひとつ 分割しづらいため均等に分けるのが難しい 株や投資信託、国債などの債券(まとめて有価証券という)はあなたの死後、相続財産として相続する人に引き継がれます。証券会社に相続人が届け出て、相続する人が同じ証券会社に作った口座へ移管されます。手続きに必要な情報はしっかり残しておきましょう。 手続きに必要な主な情報 ●株・投資信託 証券会社名、支店名、口座番号、銘柄、株数・口数 ●債券 証券会社名、支店名、口座番号、債券名 証券会社から送られてくる「取引残高報告書」があれば情報の代わりになる。あなたが遺言書を残さず亡くなると、相続する人たちで有価証券をどのように分けるか話し合います。相続する人が複数いる場合、全員が合意するまで動かせません。有価証券をそのままほしい人、現金でほしい人、特定の銘柄だけがほしい人などがいれば、もめごとの種になってしまいます。有価証券は価値の変動もあり、事前に遺言書で公平に分けておくのも難しい財産です。 有価証券を現金に換えておくこともひとつの方法です。何よりも使っていない口座は解約しておきましょう。
クレジットカードはいつまで持っていていい?
みんなの声 ●カードは複数枚あると安心だし、特典目当てで次々作ってしまう…… 未使用カードはすぐ解約、使うカードのみ残す クレジットカードを整理するポイント クレジットカードを複数持ったまま亡くなってしまうと、残された家族は解約の手続きが大変です。 また、どれくらい借り入れがあるかわからないまま亡くなると家族には精神的な負担もかかります。支払いが終わっていないカードローンはなるべく早く完済を目指して、使っていないカードは解約しましょう。 将来、認知機能が低下した場合に、自分でも気づかないうちに浪費したり、紛失や不正利用にあうリスクも無視できません。残しておくカードの限度額はなるべく下げておくことも大切です。亡くなったあとで引き落としがくることもあるため、家族に契約中のカード会社の情報を伝えておくことも忘れないようにしましょう。 〈ここがポイント〉 クレジットカードは枚数を減らし、限度額も下げる。残すカードの会社の名前、連絡先、引き落とし口座を記録 カード裏面のヘルプデスクに電話をすれば解約の手続きは進められます。捨てる際はカードをハサミで裁断しておくと安心です。 なお、解約するとポイントや付帯している保険もなくなります。 明石 久美 相続・終活コンサルタント/行政書士