定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
度重なる物価の高騰は、日々の生活に大きな影響を与えています。加えて年金不足が問題視されるなか、いったいどれくらいの貯蓄があれば、安心して老後の生活を迎えられるのでしょうか。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説 今回は、定年退職を迎える方の平均貯蓄額をご紹介します。さらに退職金の相場もあわせて解説しますので、いくら貯蓄しておけばよいのかと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
60歳における平均貯蓄額
まずは、60歳における平均貯蓄額を見てみましょう。 プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社では、2023年に還暦を迎える方を対象に「2023年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」を実施しています。上記調査における還暦人(60歳)の平均貯蓄額は、3454万円とのことです。 さらに、貯蓄額の割合を表1にまとめました。 表1
※プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社 「2023年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」を基に筆者作成 表1より、60歳を迎える方の46%が、1000万以上の貯蓄を持っていることが分かりました。一方で、100万円未満しか貯蓄がない方は25.2%と、貯蓄額には大きな差があるといえるでしょう。 今回平均貯蓄額が3454万円と大きいのは、1億円以上の貯蓄額がある方の割合が9.7%と、比較的高い水準であるからといえます。
【学歴別】退職金の平均
次は、退職金の平均額を確認してみましょう。 東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」によると、モデル退職金(定年退職の場合)は、表2の通りです。 表2
※東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」を基に筆者作成 表2から、学歴によって、退職金には大きな差があることが見て取れます。高校卒と大学卒の差額は97万8000円にも及びます。大学卒の経歴を持つ方は、平均で1000万円以上の退職金が支払われることが分かりました。