“登山届”遭難者の約7割提出せず 警察「判断を間違うことも少なくなる」提出の徹底呼びかけ
全国的に登山の人気が高まっていますが、その一方で大分県内で過去5年間、遭難した登山客の約7割が「登山届」を提出していなかったことがわかりました。警察は命を守るルールとして提出の徹底を呼びかけています。 【写真を見る】“登山届”遭難者の約7割提出せず 警察「判断を間違うことも少なくなる」提出の徹底呼びかけ 冬山を楽しもうとこの日も多くの登山客が訪れていたくじゅう連山。山に入る前に必要なことが登山届です。 (堤遼志郎記者)「牧ノ戸の登山口です。このようなボックスが設置されていて、中の用紙を使って現地から登山届を提出できます」 登山届は入口に設置されたボックスのほか、管轄する警察署でも郵送やオンラインでも受け付けています。記入する内容は名前・住所、緊急連絡先のほか、日程やルート、出発時間、下山予定時間などとなっています。こうした情報は遭難者の救助や捜索に役立てられます。 (登山者)「いつも登山届は出します。遭難したときに助けてもらえるから」「家族にも情報が届くので何かあった時に家族に心配をかけないで済むと思う」 一方で取材したこの日、登山届を提出をしない人も見受けられました。 (登山者)「高くない山だし、遭難しないし提出しないでいいかなと」「登山届を出しても誰がチャックしているか知らないし…」 登山届について過去5年間、大分県内で発生した山岳遭難216件のうち、約7割にあたる156件が提出されていませんでした。登山届は法律で定められたものではありませんが、警察は命を守るルールとして提出の徹底を呼びかけています。 (県警生活安全部地域課・大渡稔次席)「遭難した場合に登山届をもとにどういった装備を持っているか、何人で何時までの計画でどの山に登っているかを把握できます。遭難者を救う手立てや道具を間違いなく持っていける」 登山届を書くことで、登山客自身、装備やコースの最終確認になり、遭難のリスクを下げることにもつながります。 大分県警は、登山届をオンラインで提出できる「コンパス」、「ヤマップ」というアプリと提携していて、提出件数も年々増えているということです。
(県警生活安全部地域課・大渡稔次席)「意識を計画の段階から山に向けてもらうためにも登山届は意義がある。警察や家族に知ってもらっているということで心に余裕が生まれるし、何かの時に判断を間違うことも少なくなるのではないかと思う」 これから登山客が増える春のシーズンを迎えますが、最低限のマナ―を守ることが山を楽しむことの第一歩です。
大分放送