森山未來、満開の桜の木の下でクランクアップ 近浦啓監督と笑顔で握手 映画『大いなる不在』
森山未來主演、真木よう子、原日出子、そして藤竜也共演の近浦啓監督作、映画『大いなる不在』。この度、本作の主演を務めた森山未來のクランクアップ時の映像が公開された。 本作は2023年9月に開催された第48回トロント国際映画祭のプラットフォーム・コンペティション部門にてワールドプレミアを飾ったのち、第71回サン・セバスティアン国際映画祭でコンペティション部門のオフィシャルセレクションに選出され、同映画祭の歴史上日本人初となるシルバー・シェル賞(最優秀俳優賞)を藤竜也が受賞するなど、世界の映画祭で高い評価を得ているサスペンスヒューマンドラマ。 幼い頃に自分と母を捨てた父が警察に捕まった。報せを受けた卓が久しぶりに父の元を訪ねると、そこには認知症で別人のように変わった父の姿があり、父の再婚相手の義母は行方不明になっていた。 この度公開された映像では、森山未來のクランクアップ時の様子が収められている。認知症になり、施設で暮らすことになった陽二の前から忽然と姿を消した義母・直美に関する手がかりを求め、直美の妹に会いに行くシーン。クランクアップを迎えた森山が近浦監督とお互いを称え合うように握手を交わす。 森山がクランクアップを迎えたこの場所は、熊本県に実際にある工房。撮影時には偶然にも桜が満開になっていたため、近浦監督は「煽っている感じを出さないで、かつ、森山未來さんの背後には桜しか見えないという画を撮りたいと思いました。対象からかなり距離をとり、カメラのレベルを地面ギリギリまで下げて望遠レンズで狙ってもらいました」と当時のこだわりを明かす。 本作の撮影監督を務めたのは、是枝裕和監督や河瀬直美監督らの作品を手掛けてきたベテラン、山崎裕。『コンプリシティ/優しい共犯』に続き山崎とタッグを組んだ近浦監督は「前作でのコラボレーションで山崎さんとは非常に良い関係が築けたと思いましたので、今回もぜひ山崎さんにお願いしたいと考えました」と絶大な信頼を寄せる。前作ではデジタルのハンドヘルド撮影で、ワンシーン・ワンショットが主体だったが「今回は35mmフィルムを使って、カメラは手持ちではなく基本三脚に乗せてもらいます。また、各ショットの構図に関して要望を出しますということは先にお伝えしました」と前作との違いを明かした。 また、制作予算の関係上フィルム缶には限りがあったため、「あらかじめショットをどう繋げて展開させるのかを考えて、自分の脳内でパズルを組み立てながら撮影を進め、撮りあげた段階でほぼ編集もできているような状態を目指した」という。近浦監督は「山崎さんは、技術の素晴らしさはもちろんですが、人柄的にもものすごく大きい人。あれだけ凄いキャリアのあるカメラマンなのに、僕みたいな未熟な人間の無茶な要求や提案にも、ご自身の考えを踏まえてちゃんと返してくれます」と振り返り、「『大いなる不在』では前作以上に良いコラボレーションが果たせたと心から満足しています」と山崎への感謝の気持ちを語った。 映画『大いなる不在』は、公開中。
otocoto編集部